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2016.11.11リネンシャツのはなし

今朝の福島県沖の地震、びっくりしましたね。みなさんの住む場所は大丈夫だったでしょうか。
5年前の震災のときのような大惨事にならなくてほんとうによかったですが、まだまだ日本列島揺れているのだな。と、やっぱりこわいですね。
先日は、だんなはんの実家の伊勢でも地震があり、南海トラフもどうか揺れませんように。と、なにもできず祈るばかりです。
我が家も、最近防災グッズをいくつか買いました。簡易トイレ、水を入れるだけで食べれる保存食、充電もできる懐中電灯。水。なんとなく、なにが起こるかわからないもんな。という気持ちになりますね。


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そんな中でも、ふつうの日常が繰り返されるわけです。
前回のフォーマルのはなし、オーダーをいただく際にたくさんの感想をいただきました。こんなに感想メールをいただいたのは初めて!というくらい、みなさん同じような思いを持ってご注文くださる方が多かったです。びっくりしました。
長文で感想を送ってくださる方が多かったんですね。どのメッセージも、とても興味深く、そしてありがたく読ませていただきました。どうもありがとうございます。
今回、初めて「フォーマル」という服をつくってみて、ふつふつともっとこんなのもあるといいな。とデザインを継続して考えてしまったりなんかして、まだわからないですが今後もフォーマル服作っていけたらいいな。と思いました。
そしてただいま、工場さんで縫製のほうにはいっています。店頭での販売は1月末頃。オンラインショップでは2月初旬頃を予定しています。受注分と少しだけ余分に作っていますので数はまだ未定ですが、やっぱり欲しいな。と思ってくださっている方は取り扱い店さんか、オンラインショップでもまたみていただけたらと思います。

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そして現在、取り扱い店さんより販売中の定番のリネンシャツ。今季より、サイズ展開をしています。
今まで作っていたサイズを「36」サイズとして、少しだけ大きくした「38」サイズをつくりました。写真で、違いがわかるといいのですが〜。メガネをかけているのが「36」サイズ。

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メガネがないのが、「38」サイズ。わかりますかね。着用感はけっこう変わります。36サイズよりもひと回り大きくなって、少し大人ぽい感じがでました。

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横からみたら、こんな感じです。メガネは、36サイズ。

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メガネなしは、38サイズ。
なかなか写真では、微妙にわかりにくいですが。
素材はかわらず、帝国繊維の高密度の薄手リネンでつくっています。

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そして同じ型紙でつくっている、インディゴ染めのリネンのシャツも同じく2サイズ展開です。平織りリネンで、洗うごとに色落ちしてかっこいい風合いになっていくシャツです。

現在取り扱い店さんで販売中の2種類のリネンシャツ、コットンデニムのペックトップパンツのオンラインショップは、12月の新アイテムと一緒に販売予定です。12月の新アイテムも、ふふふっという感のいいものできています。どうぞおたのしみに。


2016.11.05フォーマルへの思い、つらつらと。

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みなさん、フォーマルは得意ですか?わたしは苦手なんです。
なにを着ていけばいいか、ほんとうにわからない。いや、わかっているんですけども、欲しくない。という気持ちと、必要である。という気持ちのせめぎ合い。とでもいいましょうか。
思えば、20代中盤から30代前半までに友人の結婚式に何度か参加したことがありますが、知らせをもらってからずっとなにを着ていこうか迷っています。いろんな洋服屋さんをはしごしますが、どれも欲しいと思えず、フォーマルではないけれどフォーマルでも着ていけそうか?という洋服を買うことになります。でも、会場へいくと、地味すぎて目立つんですね。あ、なんかふつうの服できちゃった人いるねえ。という感じです。
メイクもナチュラル(ふつうよりは濃くぬったつもり)髪型もふつう(ふつうよりは、時間をかけているんですけど)洋服を買ったら、バッグや靴まで追いつかず、靴はフォーマルの時しか履かないやや高いヒールと、バッグは母からもらったビーズがいっぱいついたような小さくてなにも入らないようなカバンを手に、ドキドキしながら所在なく花嫁になったきれいな友人と一緒に写真にうつります。
そして次回こそは。次回こそは素敵なフォーマルスタイルを!と、心に誓いながらヒールの靴で足が痛くてふらふらしながら帰るのです。そんな若かりし頃。
30代も中盤を過ぎると、結婚式の招待もぱったりと止まり、フォーマル服を着る機会がとんとなくなり、なにを着ていけばいいかと悩むことが少なくなりました。


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ところが、ついにまたフォーマル服が必要な時期がきました。
子供の卒園&入学式です。我が子は来年、保育園の卒園式と小学校の入学式です。実は2年前くらいから、意識していました。(笑)
今年は息子のひとつ年上の姪っ子が、幼稚園の卒園&小学校入学式でした。アシスタントにもきてくれている義妹のまゆちゃんの娘さんです。すかさず、どんな服でいくの??と聞きました。
また、お仕事でお世話になっている生地屋さんにも同じくらいのお子さんがいらっしゃるので、最近のお母さん方の着こなしの様子を伺いました。ほかにも小学校にはいったばかりのお子さんを持つ趣味やセンスが似た友人や知人に話しを聞いてまわりました。
とてもとても参考になりました。そして、ついにアトリエナルセのフォーマル服をつくろう。と思い立ちました。
わる目立ちせず、場にちゃんと馴染み、それなりにフォーマル感があり、ただ買うときにはドキドキしながらちゃんと欲しい!と思えるような服。
そして欲をいえば、フォーマルの日だけではなく、ふつうの日でもアレンジしたら着れるような服がいい。


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早速いろいろと情報がそろったのだから。と、デザインを考え出します。まずは生地をさがしにいきまして、いろんなフォーマル向けの生地スワッチを揃えました。ファンシーツィードやシャネルスーツのような生地、上質なウールジョーゼッドなどなど・・。テーラードスーツや、丸首のノーカラージャケット、ワンピースとジャケット、パンツスーツ。
なんだかいろいろと考えました。
が、ここでぶちあたるのが、あれなんかこれ見たことある・・・というデザインばかりです。
VERYという雑誌を初めて買ったのがこのとき。このときの特集が子供の卒園&入学式ルックだったんですね。LEEもフォーマル特集のときに買いました。なるほどなるほど、ととても参考になりましたが、いざデザインするとなると、アトリエナルセらしさがまったくないものになってしまうのです。
それならば、別のブランドで買ったほうがいいのでは・・・と言いたくなるような感じです。

デザイン企画が始まるのは、実販売からちょうど1年前。去年の12月頃に考えていたのですが、毎年12〜2月頃になるとお客さまから、「これはフォーマルでも着れそうでしょうか?」とお問い合わせをいただくことがちらほらと出てくるのです。

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たとえば、このnoharaのワンピースや、

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このnoharaのジャケット。こちら、フォーマル向けにもよくお問い合わせをいただきました。
ほかにも、ずいぶん前のアーカイブの洋服(もう完売しているもの)をもう一回つくってほしい。などなど。

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また、お客様からお子さんの卒業式などでこのワンピースを着ましたよ。と、写真を送ってもらったこともありました。このワンピースは、わたし自身も友人や家族の結婚式でもよく着ました。弟のお嫁さんのまきちゃんは、このワンピースで卒園式もでたよ。と言ってくれました。

そんな話を聞くうちに、あることに気づきました。
みんなふつうのフォーマル服を買いたくないから、ふつうの服の中からフォーマルでも着れそうな、自分の好きな服。というのを探しているのだなと。それは、わたし自身も同じで、アトリエナルセの服はフォーマルでも着れそうな服というのがいままでもよく登場していました。
フォーマルだからと構えすぎず、おなじように、考えてみよう。と、思い直し、いままでつくったデザインの中から、リデザインしよう。と思ったんですね。
リデザインの良さは、一度つくってもちろん着たことがあるので、そのデザインの良いところ、悪いところがよくわかっています。フォーマルだからこそ、よく知っている服をリデザインするほうがよい服になる。と考えました。

そして、えらんだのが、この服です。

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2013ssに出したこのワンピースは、コットンリネン素材。とても可愛くて気に入っていますが、子育て&仕事で追われていると、なかなかふだんの生活で着る機会があまりなく、(ややおしゃれ着感がつよい)ただ、フォーマルとなると素材的にややカジュアル、ポケットも日常着感がつよい。という、逆に着る機会が少ないアイテムとなってクローゼットに鎮座していました。でも、デザインはとても好き。
冬にロングカーディガンやタイツなどをあわせて重ね着などには向いていましたが、一枚で着るときは外で打ち合わせがあるときや、友人とごはんを食べに行くときなど。保育園の送迎などがある日常ではちょっと着にくい感じがありました。

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そして、こちらはリネンのテーラードジャケット。衿を大きめにして個性をつよくしました。カジュアルにもフォーマルにも。ということで販売したものですが、衿はフォーマル感がつよく、素材はリネンですが上質で光沢感があったので、フォーマルには向いていましたが、衿に個性がつよかったのでカジュアルに着るのがちょっと難しかったジャケットでした。

このふたつのアイテムを、リデザインしたのが今回のフォーマル服でした。

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ワンピースは、素材感をトロピカルウール地という細番手のウール糸で編まれた上質な生地。主にスーツやフォーマル服で1年中着ることができる素材です。ウールですが、さらりとした素材でドライです。
ポケットもとり、シームポケットにしました。

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去年つくった、このブラウスも同じトロピカルウール地。こちらも、フォーマル向けにも。と思ってつくった服です。このブラウスにタックパンツなんかをあわせるのもいいです。パールをつけてパンプスを履くと、とてもかっこいいフォーマルになりました。タックブラウス

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ほんとならば、フラワータイツに紐の革靴なんかで行きたいところですが、もっとふつうに馴染む感じに。となると、肌色のストッキングにこんなパンプス、パールの2連ネックレス、カバンもこんな感じだと浮かないかな?と思います。

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ネイビー色にはブラックのジャケットもあわせてみました。こちらは大きめのコットンパールを一連。

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リネンジャケットは個性的な衿をとり、V明きのノーカラーにしました。素材は上質な光沢感があったので同じ素材をつかいました。ノーカラーにすると参観日やPTAなどの時にも着れるようなラフさがでました。サイズはややタイトなシルエットですが、それがフォーマルに向いているデザインでもあったので、サイズ感はそのままにしました。

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ナチュラルフラックスカラーは、なかなかフォーマルにはむずかしいだろうなあ〜と思っていましたが、同じナチュラルフラックスカラーのタックパンツ(別生地、3月販売)と合わせると、入学式にも着ていけるな。という仕上がりになりました。
普段着では、カットソーとジーンズにスニーカー。なんていうのも、かっこよさそうです。
ノーカラーにしたので、インナーに個性があってもバランスがよく着ることができます。

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なんというか、買ってくださった方が自分なりの味付けができるフォーマル服になるといいな。と思います。
わたしも実際着るときは、あの作家さんのブローチをつけようかな。と今から楽しみなんですね。


・・・・と、なんとも長くなりました。
おそるべしフォーマル。なかなか、ここに辿りつくまでに何度も諦めかけ、もう他ブランドのスーツを買ってしまおうか。と思ったりもしました。
でも、お問い合わせいただいたお客さんからのメールから、糸がするするほどけていくように、今回のデザインが出てきたように思います。どうもありがとうございます。

公私混同のデザイナーでお恥ずかしいですが、自分が子供の卒園式や入学式に着ていくならどんな感じがよいか。と考えるというのがリアリティーがあってよかったのではないかな。と思っています。
たった1日のことなのに、なんだか一生懸命に考えてしまうものです。

サイズは、1サイズのFのみです。
オンラインショップでは11/10(木)までの期間限定受注となります。基本的には受注生産となるので、受注後のキャンセルや返品はお受けできませんが、2月上旬頃にも数着オンラインショップ用にご用意しています。(その時は、モデルの高井さんが素敵に着こなしてくれるはず)
取り扱い店舗さんでも、全店ではないかと思いますが店頭販売もあります。ご試着してから、という方はそちらで見てもらえたらと思います。

オンラインショップでの受注申し込みはこちらから。ateliernaruse ONLINESHOP

つい、フォーマルへの思いをつらつらと書いてしまいました。てへ















2016.10.12日々の雑記

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秋の夕焼け空。きれいなうろこ雲です。
独身の頃、大阪市内のマンションに住んでいてそこは西向きの4階で夕暮れ時になるととてもきれいな夕焼けが見れました。特に秋の空は格別でなんだか切ないような気持ちと、ああ私って一人だなあ〜と寂しさと自由さとないまぜになった気持ちでよく眺めていたのを思い出します。

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これは今朝の朝焼け。月に一回ある保育園のお弁当日はいつもよりも早起きしてお弁当を作ります。
夏の間はこの時間にはまだこんなきれいな朝焼けが見れなかったなあ。季節は動いていますな。

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昨日の朝、スーパーに行く前に「明日のお弁当はなにがいい?」と聞くと、なにやらメモを書き出した息子。
お弁当のおかずのリクエストです。
おこのみやき
ピーマン
きんぴらごぼう
おにぎり
にんじん イワシっこ
みかん

だそう。
前のお弁当日に友達のお弁当をのぞいたら、お好み焼きが入っていたらしく、かっこいい〜と思ったんでしょうね。特にお好み焼きが好きというわけではないのですが。


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できたお弁当がこれ。
肝心のお好み焼き、ちゃんと入っています。トマトの下あたり。
早起きして作ったのはお好み焼きとチキンナゲットを揚げたくらい。あとは昨日の晩ごはんの残りです。それなのにいつもお弁当の日は前の晩からドキドキしてちゃんと起きて作れるのか。と心配でいつもよりも早く寝るんです。
まいにちお弁当を作るようになったらもっと日常になってくるのかね。あ、ピーマンとイワシっこは入っていません。

子供の頃、お弁当のおかずをお弁当箱に詰める役をやっていました。というのも、母は子供に対するサービス精神がなく(いや、違うところであるんだけどちょっとツボが違う)わたしもクラスメイトのお弁当が可愛くて上手でなんとも憧れたものです。子どものお弁当らしいデコレーションやなんだかこなれた感じがあって、観察しては次回のお弁当にあの感じを取り入れてほしい。と思い、おかずをリクエストし、見よう見まねで自分で詰めるのですが、子供なのでへたくそなんですね。お弁当箱をあける頃には寄っていたりなんかして、理想のお弁当にはなかなかなれないのです。
しかも自分で詰めているからあけたときの驚きがない。どっちも満たされているクラスメイトたちのお弁当が羨ましかったのですね〜
自分が親になったら絶対に子供が喜ぶお弁当を作ってやるのだ。と子供の頃から思っていたのですが(笑)いざ親になってみると、やっぱり母が作っていたようなお弁当になってしまうんですね。
お弁当の本とかも買って研究するのですが、なんというかお弁当の才能があまりないんですね。結局こんなお弁当になります。
とはいえ、キャラ弁も何回か作りました。でも、なんかこなれていないんですよね〜(ある日のハナシのシでも載せたことがありますが)上手な人は本当に上手ですよね。
お弁当がうまい人は、なんだかずっと憧れです。


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最近読んだ本です。
インスタグラムでも、なに読んだかシリーズが好きです。とおっしゃってくださる方が何人かいて、へえ〜と驚いています。
夏前くらいからのもあるのですが、厳選して。他にもなんだかいろいろとちょこちょこ平行して気分で読みます。
右上下の稲垣えみ子さんの本は、よく売れているみたいですね〜。朝日新聞の元記者で、記者時代からコラムを楽しみにしていました。朝日新聞にこんな人がいるんだなあと思うだけで、なんだかホッとしたのですね。
辞められた後も、久米宏のラジオに出たり、情熱大陸に出たり話題の人です。読みながら、安心するのですね。物がなくなってもお金がなくなっても、もしかしたら一人きりになっても、自分次第でとても楽しい人生になるのじゃないか。と思えることが。そうやって気づいたのが、私って先のことをずいぶん心配していたんだなあ。ということです。
そして世の中的にも多分そうで、だから90歳や100歳の方が書いた本を読むとホッとするのですね。ご高齢で活躍されている方の本が、今とてもよく売れています。
そして結婚せず独身で子供がない女性という価値観が今変わってきていますね。
子育てで自分の時間がほぼない世代にとっては羨ましいくらい充実しているように見えます。大人になったら行ってみたかったバーや、(笑)夜のコンサート、ライブ、レイトショーの映画、夜中のカフェや、ヨーロッパ旅行、友人たちと夜ごはんにお酒を飲んだり。
独身の頃は、簡単に行けたところが(バーとかは数えるくらいしか行く機会がなかったけど)今はちょっと夢になっていますね。
キョンキョンのエッセイでも、それがなんだか詰まっていて、でも自分の生き方が一番いい。という押し付けがなく、人それぞれで、いいことも悪いこともひっくるめて自分の人生で起こったことを淡々と書いているところがとてもよくて、固執せず他人を特に羨ましがらない強さがとてもかっこいいんですね。
女性は特に、他人を羨ましがる生き物だなと思うのですが、(自分も含めて)羨ましがらず、自分にやってきた幸せをちゃんと見つけられてそれで満足する、ということってなぜかとてもむずかしい。むずかしい人にはとてもむずかしい。(自分も含めて)
結婚して子供ができても、2人目ができていないことで少し引け目を感じることがあったり、仕事ではもっともっと頑張らないと置いていかれる(だれに・・)と焦ったり、なんだかいつまでたっても今の自分でいいのだ。と満足ができず、不安になったりする自分が時々ひょっこり現れて、そんな自分がいやだなあ。と思うことがあります。
自分の人生は、なんとなくこうなっている。というのが、半分は自分の選択してきたもの、半分は自分ではどうにもならないところでまるっと決まっているようなところがあるなあ。と受け入れるということか。
ないものに目を向けず、あるものに感謝するという気持ちを、当たり前のことですが忘れないように。と、書きながら思います。
そんなちっぽけな自分が読むと、こころが平穏になった「老人の壁」。
先月行った東京に行く新幹線の中で行きと帰り、ぼんやり読み進めていました。確かこれはだんなはんの本棚から借りてきたものです。養老孟司と南伸坊が、たわいないおしゃべりをするような対談集なのですが、今や若者よりも老人の方が楽しそうに見えます。(この素敵すぎる老人の2人だからか)多分、自分なんてどうでもいい。という境地が楽しくなってくるところでしょうか。
そんな老人になれるように、どんどん自分を無くしていこう。というのが、だんなはんと私の最近の生きる指針であります。なかなかこれがむずかしいのですけども。

末盛千枝子さんの本も、人生というのがなんだか自分の力だけではなんともしようがない部分がある。というのを思う本です。でも、だからこそわかるものがあり、人に優しくなることができて、人の気持ちを思うことができる。そしていろんなことがあっても、人生は続くのである。という、辛くもあり、希望でもあり。神様っておらんのやろうか。いや、おる時もあるなあ。と、なんだかぼんやり思ってしまいます。そして不思議なことって人生には時々あるのやろうなあ。と。

と、こんな長文誰が読んでくださっているのかと思いますが。
最後の大橋鎮子さんへのオマージュ的な本。冒頭の田村セツコさんの章が一番好きです。なんて優しいのだろう。と思います。田村セツコさんの他のエッセイも大好きです。強くて優しい。こんな女性になれたらいいなあ。といつも思うのですね。そして若い頃のエピソードがとてもワクワクします。
朝ドラの「とと姉ちゃん」、その頃の暮しの手帖をリアルタイムで読んでいる世代はどんな気持ちだったのかなあ。と、羨ましく思いました。
そして花森安治の女装の意味なんかも、今回ドラマになって関連本がたくさん出て、今まで知らなかったことを知ることができてへえ〜と思うことが多かったです。NHKの特番も面白いのがいくつかありましたね。
オープニングの辻恵子さんのイラストも素敵でした。子供がオープニングをとても気に入っていました。


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はてさて、そうこうしているうちに今日からアトリエナルセ、10月の新作第一弾オンラインショップスタートです。
秋冬の定番の麻ウールのサロペットパンツや、秋らしい靴下、(タイツは第二弾で)ゴムのウールスカートなんかも素敵です。
ゆっくりのぞいてみてくださいませ。

あ、そしてモデルも務めてくれている、高井さんがインスタグラムを始めました。インスタグラムでも、「TOFU DIARY」を載せたり、高井さんの気になる日常なんかも垣間見れますよ。よかったらこちらも楽しみにしてくださいね。https://www.instagram.com/tofudiary/

2016.09.26アトリエナルセの秋冬の服、続

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前回からのつづきであります。
みなさん、こんにちは。
なんだかインスタグラムを始めちゃうと、ある日のハナシのシがおろそかになってしまうんじゃないかなあ〜と思っていましたが、どうでしょうね。

アトリエナルセの秋冬もの、ときどきやるのですがストックの商品を今年風に撮り直し。というのをやります。
アランセーターのネイビー色のみ、あと数着ストックがあるんですが去年なぜかホワイトのみよく売れてあれよあれよと旅立っていきました。このアランセーター、手編みです。国産ではなくニットは中国生産になるのですが、ニット製作を発注させてもらっている会社の方がとても優秀な方でとても感じのよい方です。(この方は日本の方)
そして上がりもとてもすばらしいのですね。糸はもちろんデザイナーのわたしが選んで良質なイタリア糸を使いました。編み模様もちょっと懐かしいようなお母さん、いやおばあちゃんが編んでくれたような柄にしたい。と思い選んだものになります。
ふんわりと出来上がったアランセーター、コンパクトなサイズ感が欲しい。と思い、何度か試作してもらい納得のいく出来になるまで粘って作らせてもらったセーターです。
今期つくった、グレンチェックのチノパンにあわせるとアイビールックのようで素敵です。足元は赤い靴下で。
少しつやのあるネイビーは高井さんの栗色の髪の色とよく似合います。アランセーター

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ほかにも、わっかになったドーナツ型のニットストール。横幅があるのでこんなふうに肩にかけて着るのもかわいいですね。コットンウールなので、ちょうど今くらいの時期からよさそうです。
高井さんならどう巻く?といったら、こんなふうにしてくれました。ニットストール

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それからそれから。
だんなはんから、アヤコちゃんこれはないわ〜と言われた、ペックトップパンツのコーデュロイのサックス36サイズのほうをはく、の巻。通常、わたしは38サイズ(今まではFサイズ表記)をはいていたのですが、背の高い高井さんが38サイズをはくならばわかりやすくわたしは36サイズをはくわ。といって、はいたのですがこれが悲しいかなパンパンなのですね・・ほほほ
というわけで、38サイズをはいたらこうよ。というのを載せたい。と思いまして、こちらで載せます。ペックトップパンツ

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そうそう、これくらいゆとりがあってこその格好良さが伝わるペックトップパンツです。
近頃、ほんとうにやばいな・・これはほんとうにやばいな・・と思うようなおなかとおしりです。これはもうほんとうに運動しないと、いやそれよりも食べる量を考えないと・・・。
37歳ともなると、若い頃のようにはいかない代謝。みなさん、どうされていますか。
住んでいるのは山の上、移動手段はほぼ車。そして忙しいから散歩なんていく暇がない。無駄に階段を手足を高く挙げてのぼるくらい。こわいなこわいな。と思うだけで、なにもしないまま年を重ねています。
このままではアトリエナルセのモデルを強制引退することになります。

そして、ボトムスのパンツに関してはわたしが大きくなるにつれてサイズも大きくなるのはこれではスリムなお客さんが離れていってしまうということで、先シーズンから36サイズも作るようにしました。
ただ、38サイズだけでは足りず40サイズも今後つくっていきたい・・・という気持ちもありまして、今期は11月頃にデニムのペックトップパンツも出すのですが、こちらではアトリエナルセのオンラインショップ限定でためしに40サイズも作ってみました。少しゆったりとしてはきたい。という方、待ってました。という方、朗報になると嬉しいです。(笑)

いやはや、それにしてもサイズに関してはリアルなFサイズというのは、どんなもんじゃ。というのが、課題であります。
今日、パープルのリネンクルミボタンブラウスを着ています。大人になるとこんな少しくすんだようなパープル落ち着いていていいですね。

さて、今日はここまでです。
食欲の秋ですが、みなさんもどうぞお気をつけくださいませ。

2016.09.162016_17秋冬、スタートしました

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アトリエナルセの2016_17秋冬、いよいよスタートしました。
いつもスタート前は、検品やったりwebページつくったり、店舗さんからの追加オーダーの出荷があったりと、バタバタしているのですが、今季はアシスタントのまゆちゃんのおかげでなんともスムーズ。ゆったり。
わたしなんかは、午前中はアトリエ別室でミシンを踏んで作品つくったりなんかもできています。これぞ、デザイナー!というスタンスになってきてとてもありがたいのです。

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アトリエ別室、どんどん充実してきています。
あたらしいポストカードの絵も描きたいなあ。とか、作品展もしたいなあ。とか、夢はひろがります。

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と、今日はいろいろと商品のことを書くのだった。
まずは一番最初のストライプのスタンドオフカラーブラウス。アトリエナルセでは定番になったブラウスですが、やや袖巾がゆったりしました。(見え感は以前と変わらず)
そしてトーマスメイソンというイギリスの伝統ある生地メーカーの生地です。とてもしなやかで上質な質感なんですよ。メンズのシャツでもよく使われているのでご存知の方も多いかもしれませんね。
そして、お問い合わせもちょくちょくいただいているゴムのウール地のスカートは10月に入荷予定です。とても可愛いんです!わたしも早くはきたいのですな〜

そして、わたしが寝ぼけた顔でうつっている、ウールニットとリネンのドッキングワンピース。
実はアトリエナルセ初めてすぐの頃に似たようなトップスをつくっているんです。その頃から、これのワンピースがあったらいいなあとあたためてきたデザインです。
まだ20代で若かったので、このデザインはもう少し大人になってから・・というのも思っていました。
パタンナーさんと一緒に、トワール組みのときに裾がコクーン型になっているのが広がりすぎずかわいいのじゃない??となり、盛り上がりながらこんなデザインになりました。
リネンのピンタックの美しいこと。帝国繊維さんの高密度で薄手のリネンでとても品があります。
2色展開くらいしたかったのですが、グレイとホワイトの配色以外考えられなかったので思い切って1色展開となりました。

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リネンの透明感がすごくきれい。ニット地もしなやかで薄手なのでドレープがきれいにはいります。

また、順次新作のお話を載せていきますね。
息子が保育園から帰ってきました・・・。


2016.08.29夏の終わりに

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もうすぐ夏の終わりがみえてきましたね。
今年は、なんだかとても夏を満喫したような気がします。
子供の成長にあわせて、わたしたちも子供時代を追体験させてもらっています。
わたしが子供の頃は、ちょうど交野市に住んでいた時、源氏の滝でカニや小さい透明なエビを捕まえました。源氏の滝、その後河原はコンクリートで固められてしまいましたが、わたしが子供の頃はまだこんなふうに石がごつごつしていて石をめくるとサワガニがいたんですよね。

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宝塚の上流の川に今年は何度か行きました。とても暑い夏でしたが河原はとても涼しくて気持ちがいいんです。
カエルもいます。
でも、わたしは実はカエルが大の苦手。でも、ハヤオは好きみたいです。よかった。

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かわいい植物も。靴下のデザイン中に、山をうろうろしましたよ。

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義妹のまゆちゃん一家とも、いろいろとでかけました。海へ行ったり、神戸のアンパンマンミュージアム、市民プール。
兄弟のような3人をみて、わたしはとてもホッとします。

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ハヤオ、こんなのにもチャレンジ。(笑)
スタッフのお兄さんに、「こわいわ。お願いやから、やめて」と懇願している子供は、うちの子だけでした。
従姉妹のこはるちゃんにいいところを見せようと、「やる!」と言ったものの、あまりの高さにびっくりしたようで。
まあ、わたしでもこわいわ。と思うので、ようやった。と思う以外ありません。

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いつもは車移動が多かったのですが、今年はバスや電車に乗ってでかけることが多かったです。バス停まではこんな長い階段を下ります。もちろん帰りは、のぼるんです。なかなか疲れて帰るのにこのコースはハードでありました。

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そして、仕事場がふたつになりました。
前々から、自宅の1階部分のストックルームがシーズンになるとパンパン、ストックルームには収まりきらず、作業場のスペースの確保ができず困っていました。
なんか近所に場所を借りたほうがいいなあ。と思い、探していたんですね。
ご縁があり、車で5分くらいのところにあるアパートを借りてストックルーム兼ひとりで創作する場として少しずつものを運びいれていました。先日、ついにミシンを搬入。
久しぶりのひとりの時間です。デザインするとき、ものを作るとき、いそいそとでかける場所になりました。ひとり暮らしのときの気持ちを思い出し、なんだかワクワクしています。
手作りでなにかをまた作ってみたいな。絵ももっと描きたいな。気持ちだけはふくらみます。

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洋服であまった生地をつかって、いろいろとまた作ってみたいなあー。チクチクしている時間がこんなにもしあわせだったか。
と、こんなふうに自分の時間ができたのも、アシスタントの義妹、まゆちゃんが来てくれたから。本当にありがたいなあと思います。
好きにさせてくれるだんなはんにも感謝ですな。

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インスタグラムを始めてから、あきらかにiphoneを触る時間が増えました。
ただ、ちょっと慣れてきました。前ほど熱心にみることはなくなり、熱心に更新していませんが、なるほどこの空気感ね、というのはわかってきましたよ。最初はいいねの数にややドキドキし、どんな方がフォローしてくれているのか覗くのもドキドキしながら。のぞいているのがばれているのか?どうなのか?というのもわからなかったので。
そして、有名人のインスタグラムをわたし自身もフォローしてみたりして、でもなんだかいいねとするのはおこがましい気がして(笑)みてるだけ。なかなか面白いです。
そして学生時代の懐かしい友達の近況も何年かぶりに知ることができたり、楽しんでいます。
フォローしてくださった方、どうもありがとうございます。仕事の話題が少なく、なんだかいいのかしら。という感じですが、9月からの新作の写真はもう少ししたら載せていけたらいいなと思っています。ちょっともったいぶりながら、載せていきます。
なかなかいいもの、できています。
どうぞおたのしみに。

夏の終わりの台風、大きな被害がでませんように祈っています。

2016.08.03インスタグラムをはじめました

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数日前から、アトリエナルセのインスタグラムを始めています。(わたしが書いてます)
きのう、アトリエナルセのトップページにも「library」「f」のとなりにカメラマークが。
何名かの方がお気づきになってくださって、フォローしてくださっています。よく気付いてくださったな。と思いつつもまだ試験期間というのと、初めてのシステムになんだかワクワクしつつ結構まめに更新しているのがなんだか恥ずかしいっすね。

FACEBOOKやインスタグラム、なんだかめんどくさそう、流行りすぎてて乗りたくない、いいねとか気つかうわ〜などなど、ちょっと斜にみているところがありましたが、ほんとはちょっと気になっていました。
そんな中、だんなはんから聞いた話で、ほぼ日の糸井さんと俳優の中井貴一さんがある対談の中で、こんなくだりがあったというのですね。
中井貴一さんが「新しくできたもの、便利なものに対してどうも神経質になってしまうんやけど、糸井さんやったらどう思います?(だんなはんが喋ると中井貴一も関西弁になる)」というと、「おもしろがればいいんですよ」って言ってたで。とのこと。だんなはんの解釈によると、便利になりすぎると人間力が衰えていってしまうんじゃないか。ということに対して、糸井さんは本当に大事なものはなくならないんじゃないの。という考えなんじゃないか。という。
わたしはまさに貴一寄りの考え方でしたが、糸井さんのあっけらかんとした返答にもなにかハッとさせられるものも、ある。

ということが、ちょっと引っかかっていました。
新しくできたものが、なんとなく悪いもののように感じる。昭和的なもの、アナログのほうが安心する。という気持ちはだれしもあるかと思いますが、深刻に考えすぎずにやってみてもいいんじゃない。とも。合わなかったら、やめたらいいのだしねえ。
なんでも物事には、良い面悪い面とありますよね。使い方次第。ということもあります。どんな道具をつかっても、その人次第。

と、たかがFACEBOOK、インスタグラムでも、なんとなくスッと入れなくなっている自分がいるんですね。今でいうと、ポケモンでしょうか。

前置き長いな〜。と思いますが、そうなのだもの、仕方ないじゃない。(笑)
でも、やってみたらなかなか面白い。ついつい、あれも載せようこれも載せようかしら。と日々の生活の中でカメラ目線がでてくるってもんです。
ある日のハナシで書くにはなんだかちょっとそれほどでもないけれど。というような、日々からこぼれ落ちそうだけど、その時その時感動したものなんかを記録させておくのもいいですし、知り合いや友達の日々を垣間みられるのも面白いもんですね。

というわけで、よかったらのぞいてみてくださいませ。
アトリエナルセ(成瀬文子)インスタグラム

2016.08.02父の画集

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こちらは、父、成瀬政博の画集。
週刊新潮の表紙絵を20年近く担当しています。
20年分、ではないのですが父が気に入った表紙絵をまとめたものになります。週刊誌なので毎月4枚。1枚1枚キャンバスに描いた絵です。
絵を描いている方はわかるかと思いますが、キャンバスに絵を描くときは下に何層かに下地をつくります。何枚か過去の絵が隠れているということもあります。そうすることで、絵に深みがでるんですね。層があるかないかでは全然ちがいます。
わたしが高校生の頃に、父に週刊新潮の表紙絵の仕事がやってきました。
子供時代の父の記憶というと、最初は大阪の裁判所で働く公務員。その後、脱サラ(脱公務員?)して最初は小説家になろうとしていたんだか。どうだったんだか。

でも物心ついてからの父というと、絵を描く人で画家でした。
学校の体操着のゼッケンは、父に描いてもらうとなんだかちょっとセンスのいい字だったりしたので母ではなく、父に頼むことが多かったように思います。
お金はないけど、父は毎日家にいる。というような感じで子供の頃よく父は、私たち兄弟を連れて旅行につれていってくれたり、テニスをしたり、プールに行ったりしました。そしてときどきふらりとインドやらスペインやらイタリアやら貧乏旅行へ行ったりして海外の変わったお土産をたくさん持って帰ってきました。
父や母の個展にもよく一緒に行きました。子供にとっては静かにしていないといけないので個展へ行くのはいいけれどすぐに飽きて早く終わらないかなあ。と思うようなこともありました。

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これは父が描いた絵本。偕成社からでていますがすでに絶版になっています。
わたしは5人兄弟なのですが、兄、姉、わたしを主人公にして絵本を作っています。下2人の弟は父の絵本の時代とはちょっとずれちゃったんですね。わたしはギリギリセーフ。
「おさんぽおさんぽ」と「ねむいよねむいよ」がわたしが主人公。名前もそのまま、「あやちゃんねむいよねむいよ」などと使われています。「ねむいよねむいよ」はもう本自体は残っていなくてダミーとしてつくったものだけがあります。
今となれば宝物ですね〜。ハヤオにも、赤ちゃんの頃よく読みました。

記憶している限りでは、父はNHKの生活笑百科でタイトル文字をデザインしたり、(父が出た回もあったらしい)どこかの銀行のイラストを描いたり、産経新聞でイラストの連載をしたり、今でいうフリーのイラストレーターというような感じで仕事をしていました。
でも5人の子供がおり、母は専業主婦(兼あまり稼がないアーティスト)で、日々の暮らしはたいへんでした。
そんな中舞い降りてきた週刊新潮の表紙絵の仕事は、家族中でバンザーイ!とよろこんだ仕事だったんですね〜。

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でも、なかなか最初の数年は毎月4枚の絵のデザインを考えるのがとても苦労していたなあ。というのを記憶しています。鬱になっちゃうんじゃないか。と追い詰められていた時期もありました。
ぽんぽんイメージがでてこない、でてきても編集部にNGをつきつめられる、色あいを毎号明るく、変化をつけてほしい、季節のモチーフをいれてほしい、表紙タイトルが入る部分は1色もしくはグラデーションにしてほしい、など、様々な注文がありました。
当時実家に住んでいたわたしも、なんかいいイメージがないかなあ。と父と一緒にアイデア出しを考えたりすることもありました。
またわたしがひとり暮らし時代には、わたしも初めての週刊誌の表紙をデザインする仕事をいただいたことがあって、アイデアがでてこない苦悩を心からわかってくれたのは父でした。よく電話で愚痴を言っていたのを思い出します。

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これはわたしが表紙のバッグデザインをしていた関西版の求人誌「salida」
ベネッセのしまじろうのちゃれんじぽけっとの表紙デザインも担当していたことがありました。(画像みつからず・・)

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今回、同時期出版になった父の画集(左)と、詩集(右)。
父らしく、表紙の絵は子供の(わたしの姉と弟)描いた絵を採用しています。
わたしみたいな仕事をしていると、どうやったら売れるかということを考えるのが最優先になってしまうので、表紙は中身がわかりやすいもの、という意味では、この表紙だったら中がわからないんじゃないの・・・と思うところですが、父は「そんな本屋さんでこんな画集や詩集が売れる時代ちゃうしなあ。個展とかで売るからいいねん」とさらりと。
本を作るのが趣味みたいな人なので、自費出版した本は数知れず。

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うちにある父の絵。
わたしが家を出てひとり暮らしをするときにプレゼントしてくれたものです。
実家に帰ればたくさん父の絵があって、「ちょうだい」と言ったら多分「ええよ〜すきなん持っていき〜」と言われそうですが、家族といえども、父の作品。なんとなく気軽には言えません。
が、だんなはんは結構かんたんに「これいいなあ〜ほしいなあ〜」と言って、こないだの帰省時にもらって帰ってきていました。「くれたよ〜やった〜〜〜!」と。いいのかよ。

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だんなはんがもらってきた絵。
こんな感じの絵も描きます。父はいろんなタッチの絵を試してみたいんだそうです。過去にも銅版画をやったりしていたこともあります。銅版画のもなかなかおしゃれでした。

そんな父の半生は、アトリエナルセの公式フェイスブックでもだんなはんが更新していました。なかなか面白く、好評だったのでだんなはんのブログ「日記、猫か夫か。」でもまた転載しようと思っています。
父の画集は、全国の書店、amazonなどで販売中です。詩集は、直接注文になります。(こちらでもお受けしています)
画集「成瀬政博 表紙の絵」新潮社刊は2800円、詩集「穏やかな一個」ほのほ刊は1200円です。

2016.07.30白浜に海水浴

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夏休みをもらって、平日に和歌山の白浜へ。
1泊して2日とも海でおよぎまくる。

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義妹家族のまゆちゃん一家と一緒に。わたしたちは仕事でも一緒、プライベートでも一緒、ほんとうに仲がいいなあ。と思います。なにより、子供(従兄弟)同士がほんとうに仲良し。

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ハヤオは、顔こそつけられないくせにほとんど海へ。大きめのゴーグルで海の中を必死にのぞいて魚をさがします。
わたしたちも、一緒に海にはいるしかないので(交代でもいいんだけど)ゴーグルつけて岩場で魚をみに潜ります。さかな、結構泳いでいて大きいのもいたり、小さなふぐみたいな魚がいたり、もうわたしたちが大興奮。かになんか大きいのがのっそのっそ歩いているんですね。
子供の頃、母の母(祖母)の実家が島根県美保関で、母の従姉妹の家に毎年夏休みになると遊びにいっていました。1週間くらい滞在して、海にもぐったり、海辺でお弁当食べたり、そんな記憶がむくむく思い出してきて、思わず童心にかえってしまいましたよ。わたし、泳ぐの大好きだったんだわ〜

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義弟は、みんなのお父さんのような安定感。

海もほんとうにきれいで、こんなに海水浴にくる人がたくさんいるのにきれいなのは、海を掃除している人たちがいるからだね。自分たちもよごさないように・・

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いっぱい泳いだあとのかき氷もうまい〜
外でたべるとなんでこんなにおいしいのか〜。
1日目はお弁当持参だったのだけど、2日目は、海の家の焼きそばなんかの軽食。海水浴客がたべているカップヌードルがとてもおいしそうで1つ購入。これがまためちゃくちゃうまい〜だんなはんと取り合いになりましたがな。
あの味は、海や山でしか味わえないんですね〜

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今回、道具はちゃんと用意しました。
水着は、モンベルで上下。帽子とサンダルはノースフェイス。ラッシュガードなるものができてからは海やプールの距離がぐんと縮まりますね。ただ、若い子たちのビキニは眩しいわ〜とちらちらと見てしまいますが。
水着は1着しかもっていなかったので、2日目はちょっと濡れてるのを着るのか〜と思うと2日目は水族館でもいこうかしら。なんて思っていましたが、モンベルの水着は優秀でしたよ。水洗いして浴室で干していただけだけど、もう乾いていてサラサラ。
だんなはんの水着やハヤオのズボン水着(上の半袖はモンベル)は違うメーカーのものだったので、翌日も半乾きでへんな匂いになるわ、気持ちわるいわで、海にはいるまではきもちわるそうでした。

道具は、ポップアップテント(下に敷くシートも忘れずに)に、日傘つきのラウンジチェアー、こちらは庭でも使えそう。最近はほんとうに安くてなんでも買えるのですな。ありがたいけど、なんだかものの価値や値段がおかしくてちょっと不安。
ラウンジチェアーは、1000円ちょっとで買えるのだけど、3000円とかでもいいんじゃないかな。
アウトドアの道具は、どれもデザインがかっこいいね。

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旅館もとてもよかった〜
明治創業の柳屋さんという旅館です。
海まで徒歩5分、食事もおいしいし、宿の人もみんな感じがよかった。
部屋も小さい部屋ながらも、窓からはきれいな海がみえる。

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夕焼けをみながらの片手ビールに、海の幸。ごくらくごくらく〜

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デザートの頃あたりに、花火。毎晩あげているのだそう。
子供もおおはしゃぎ。
こどもたちは、この後ひとり一芸を披露。ハヤオは、ジュウオウジャーならぬ、ハヤオオリジナルの、魚戦隊キリオージャーの歌とダンスを披露。途中ジュウオウジャーの歌のフレーズが入りつつもオリジナルとして歌い踊りあげました。
従姉妹のこはるちゃんは、ちょっと恥ずかしそうに小さな声でプリキュアを歌い、こはるちゃんの弟のまもるくんは、トーマスの歌を一生懸命うたいました。

たのしい旅行は、あっという間におしまい。
残ったのは、優秀なラッシュガードに包まれていなかった手の甲の日焼け。そして日焼け止めクリームを塗っていなかった唇のヒリヒリ。
アトリエナルセのカタログ撮影が終わっていて、よかった・・

2016.07.26近況(思った以上に長文になりました)

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どこかのホテルかなんかかしら〜
という庭になりました。

ウッドデッキをくり抜き、ハナミズキをあらたに植栽しました。

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植栽の前日のだんなはん。ウッドデッキを3年ぶりに掃除してくれました。きれいな木の木目が復活!


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関西は先週に梅雨明けして、こーんな夏空になっていたのですね。こちらは2階のリビングから見える山と空。ああ〜なつやすみ〜と、TUBEの歌がながれてきそうな日本の夏の空という感じです。


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庭を何年かかけてつくっていきたい。ということで、去年庭を作ってもらってから少しずつ木を足していこうということで、今年も2本の木を植えてもらいました。ウッドデッキにはハナミズキ、東向きの大きな窓からみえるようにジューンベリーを植栽。

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つるさんという職人のおじさんが、めっちゃかっこいい。作業着のズボンや、帽子なんかにもこだわりを感じます。

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庭をつくってもらったルーツアーバンストアの藤田さんがわたしたちの希望をきき、木を探してきてくれました。枝ぶりや形など、センスのよさを感じます。
水あげが足りてないらしく、もっとしっかり水をあげてね。と言われました。ヒーごめんなさい〜
朝晩2回、ほんとうにたっぷりあげなくては木がしっかり成長しないらしいのですね。がんばります!

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デッキブラシには、子供のカマキリ。

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そして、なんとホームセンターで買ってきた小さなすいかの苗が、びっくりするくらい育ち、ひとつだけ実がなりました。結構立派でびっくりする。
夏の庭になってきましたね〜。
あたらしくやってきた木には、早速セミがやってきて朝から大合唱です。

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先週の3連休は、わたしの実家に帰省。
安曇野の絵本美術館「森のおうち」で、はたこうしろうさんとおーなり由子さんの夫婦展が開催されていたので、見に行きました。おふたりの在廊日ではなくて残念でしたが、初めてみる原画を前にだんなはんもわたしも、興奮しきりでございました。
はたこうしろうさんの「なつのいちにち」の原画は、安曇野のこの雰囲気にぴったりで、思わずノスタルジックな気持ちになりなんともいえず、ぐっとくるものがありました。
そしておーなり由子さんの原画と言葉のセンスに、これまた目頭が熱くなりました。ほぼ涙を浮かべながら原画を見ました。「かか、なんで泣いてるん?」の無邪気な質問には、説明が長くなるから・・と、はぐらかしたのはいうまでもありません。そしてまたこの3連休がハードなスケジュールすぎて泣きたかったのに泣けない・・という涙が、混ざっていたのかもしれません・・

わたしたちが来た前の週に、はたさん、おーなりさんご家族がいらしたらしいのですが、わたしのような(笑)熱狂的なファンも多かったらしく、とてもにぎわってサインをしてくださったりしたのだそうです。うらやましい。。

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実家で母とハヤオ。
ハヤオのプライバシーうんぬんと、書いたばっかりなのだけど、いい写真だったので。母のアトリエは子供達は大好きでかなりレアなおもちゃがあるんですね〜
母は去年の夏以降、ちょっと元気がないのですがひとまわり小さくなり(ええと去年までが大きくなりすぎていたので逆にちょうどいい)マイペースで暮らしておりました。
いつも弟家族が東京から帰省するときにあわせて帰っていたのですが、今回はわたしたち家族だけの帰省だったので、のんびり母と話せたりもできて、1泊しかしなかったのだけど会えてうれしかったなあ。と、いう感じでした。
わたしが独身のとき、大阪の服飾学校を途中でやめて帰ってきて3年くらいかな?実家で暮らしていたときがありましたが、その時代は毎日のように母にくっついて、母もわたしにくっついて、喫茶店や本屋へいって、スーパーに行き、朝も夜もいろんなたわいない話をして毎日が過ぎていきました。
母とわたしにとっては、あの時代が一番幸せな母と娘の時間でした。
でも、この居心地のよさから抜け出せなくなるようなこわさもあり、当時長くつきあっていた恋人と別れ、大阪へとまたひとり飛び出していったのでした。あれからはや15年。もう15年近くになるのか。
引っ越し業者がくる前の、大阪の下町の千林のマンションで近くの商店街の布団屋で2組の布団を買い、母とわたしとなにもない部屋で寝た日のことを思い出します。その晩、これから先わたしはどうやって生きていったらいいのか。と、しくしく泣いて母もそんなわたしをみて、心配で心細くなって途方にくれた。と、のちの母の日記を読んで知ります。

それから、学生時代からの友人の助けや、新しく知り合った友人、それから何人かの恋人を経て(笑)ひとり暮らしを謳歌し、そのうち自由すぎる自由にも飽きて、そんな頃に出会っただんなはんと結婚をし、子供ができて宝塚で根っこをはやしています。

今、実家に帰るときはいつもだんなはんと息子と一緒。母とふたりでゆっくり話す時間がほしいなあ。といつも思います。あのときみたいに、ふらりと喫茶店や本屋へ一緒に行きたいなあ。と思うのですが、なかなか短い滞在時間ではそれはかなわないまま、長旅で疲れて帰ります。長野と宝塚の距離は、遠いのですがひとりでふらりと帰れたらそんなには遠くはないのです。
もう少しわたしに自由な時間ができたら、また母と一緒に喫茶店で話をしたいなあ。


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こちらは、実家に帰る途中(全然途中じゃなかった・・)に寄った、福井の恐竜ディノパーク。閉館寸前だったので3連休にもかかわらず、貸切のようです。
だんなはんが、「この恐竜の中に生きてる本物もおるんやで」と言ったとたん、

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逃げる息子。

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博物館も、満喫。さすが日本一の恐竜の町ですね。とても楽しかったです。

この福井で1泊して、翌朝実家の長野へ向かうのですが、わたしのミスで3時間半くらいでつくやろう〜が一転、なんと8時間もかかるという。ホテルの駐車場で、車のナビに実家の住所をいれたら8時間かかるの情報に、うそうそ〜それはないわ〜と何回も打ち込むも、変わらない8時間の距離。。
だんなはんから笑顔が消え、わたしも言葉を失いました。。
なにがどうなって、家でしらべたときの3時間半から8時間になるのか・・・。高速道路ではなく、国道しかない。山道しかない。その日の昼に父と待ち合わせて、おーなりさんの展示をみにいくという計画もなしになる。

峠越えのような道を終始むす〜とした顔をするだんなはん。「・・・運転かわろうか・・?」と言うも、「いい」と断られ、約9時間近く運転してくたくた、ヘロヘロになって実家に到着。(だって前日も京都の祇園祭り渋滞に巻き込まれ、8時間くらい運転して福井に到着)そして福井のホテルの食事は、なんだか全然美味しくなく・・・(給食のようなビュッフェ・・)長野でも宿をとるも、結局いろいろあって実家で泊まることになり、なんだか予定とおりにいかな〜い〜。泣きそうだけど、泣けない。(笑)笑うしかない〜。そんなハードな3連休でございました。

家に帰ってきて、息子が「やっぱり家がいちばんだねえ〜」の一言に、力が抜けたのでした。