2024.05.23
20240523
私の猫アレルギー対策の一環として、連休明けより寝室が家族それぞれに分け与えられるようになった我が家。以来、本当はずっと誰かと一緒に寝たかったらしいチームニャンズのジローとサンコは、ときどき息子。主に成瀬文子さんの寝室でスヤスヤ眠っているらしい。
ニャンズは誰かと一緒に寝ることができるようになったことがよほどうれしいのか、成瀬文子さんの「おやすみー」が家の中にこだますると、2匹はそれまでケンカをしていても、ご飯を食べていても、どれだけ暴れていても、どこにいても、成瀬文子さんの寝室へダダダダダッー🐈💨🐈⬛💨と一目散に走ってゆく。「おれも、わたしも、ねるーっ!」。という感じ。成瀬文子の前世は羊飼いかなにかだったのか、と思うくらいにそれはそれは見事である。
一方、私は寝室が完璧に別れたことで、アレルギー症状がおかげさまでゆっくりと鎮静化しつつある。ただ、うっかりすると「チャンス✨」とばかりにニャンズは私の部屋の中に入ろうとする。
私の寝室兼仕事部屋の扉は、高さと幅がそれぞれ2Mくらいある一般家庭ではおそらく珍しいだろう大きさと重さがある真っ黒な引き戸なのだけど、それでもニャンズ、特にジローは易々と扉を開けて部屋の中に入ってくることができる。しかしながら鍵はつけていないので、今のところ仕方がなくドアストッパーを扉と壁のあいだに挟んで対処するようにしている。部屋から出るときも入るときもドアストッパーをいちいち外したり挟みなおしたりしなくてはいけないのが少々面倒なのだけど、アレルギーが出て、喘息になるよりはマシだから仕方がない。
ただ。日中、私が家にいないときも、家にいるときも、もちろん部屋にいるときも、それから部屋にいないときも、私の部屋の大きな黒い引き戸はずっと閉まったままである。いつしか私の部屋の扉はその佇まいも相まって、まさに開かずの間、魔城の門扉といったオーラを醸し出すようになってきた。そのどこかおどろおどろしい雰囲気は家族のあいだにも蔓延しはじめているのか、ニャンズだけではなく、成瀬文子さんも息子も私の部屋にすっかり入ってこなくなった。何か用事があるときはドアストッパーを外して入ってきてくれればよいのだけど、なぜか成瀬文子さんも息子もドアの外から少し大きな声で用事を伝えてくる。気のせいか、その声は震えて聞こえる。気のせいか、私は鎖でつながれ、鉄仮面をかぶっている洋風の凶悪囚人なのではないかという錯覚に陥る。何を言われても「・・・コーッ」としかしゃべれないような気がしてくる。のである。
私だって本当は成瀬文子さんや息子のようにニャンズと一緒に寝たいのだ。何なら、(絶賛思春期真っ只中の息子はきっと嫌がるのだろうけれど、)(最近いびきがうるさいともっぱら評判の私と寝るのはそもそもみんな嫌がるのだろうけれど、)家族全員、昔のように川の字+濁点になって、寝たいのだ。
一日も早く、誰でもいいから、猫アレルギー解消薬を開発してくれないものだろうか。そうでないと、世にも恐ろしいことになるかもしれない。だって、もうまもなく46歳になるというバリバリの中年男性が、かわいいぬいぐるみを買っちゃおうかしら❤️、と本気で模索しはじめているのですよ。かわいいぬいぐるみのそばでスヤスヤと寝るおっさん。嗚呼、恐ろしい🙉。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です