2024.04.09
20240409
猫を飼ったことがある人はご存知だと思いますが、猫は何かを威嚇する時に光線のような細い声を出します。キャッ、キャッというような。ネイティブの発音で “cat” と言うような。
そして、そんな声で威嚇する “何か” は、ほとんど相場が決まっていて、それは、虫か、何かに反射されて壁に映し出された光だったります。
さきほども我が家のニャンズが2匹で天井を見上げながらキャッ、キャッと言っているので、何かと思えば一匹のきれいなミドリ色をした立派なカメムシでした。
カメムシは秋の虫のイメージがあるので「こんな時期に?」と思いましたが、どうやら秋に限らず、年中見ることができる虫のようです。そうだったっけかな。
それはそうと、そんな虫に夢中になった時のニャンズはとても危険で、虫の移動と共にそこらにあるものをなぎ倒しながらでも追いかけるので、さっさと虫を捕まえて外に逃がしてあげる必要があります。私はカメムシでもゴキちゃんでも割と平気ですので、その点、家族には重宝がられます。
通常、カメムシを捕獲する際には、すこし厚みのある紙を持って近づき、その紙に移動させてから窓の外に逃がします。臭い匂いをだしますからね。ですが、今回は興奮し切ったニャンズがこちらを見ているので、そんな余裕はございません。さっと2枚ティッシュを取り、カマキリ拳法の使い手のように右手をシュッとカメムシ向かって伸ばし、捕獲。案の定、カメムシも必死に匂いを出して抵抗していましたが、窓から逃すことに成功いたしました。
そうして私の手に残ったカメムシの香り。しかしながら、私、カメムシの香りは克服しているのです。
あれは昨年のこと。あの時も何らかの理由でうまく捕獲することに失敗をして、手についてしまったカメムシの香りを息子と「くっせー。くっせー」と嗅ぎ合いながら、「でもさ、これ、良い匂いと思うことはできねーか?」ということでしばし検証し合いましたところ「あ、パクチーだ」となりまして。
まぁ、決して珍しくはない、なんならよく言われる発見だとも思いますが、改めて、しっかりと、「カメムシはパクチーの香りを出すいい匂いの虫だ」と認識し直しましたところ、あら不思議。まったく嫌な匂いではなくなりました。
みなさんの中にもカメムシが苦手な方はいらっしゃるかと思いますが、よろしければぜひ、試してみてください。ポイントは、“しっかり” と認識し直すことが必須です。中途半端、恐々ではいけません。心の底から、本気で「ええにおいや~」と思うことが必要です。
そんなわけで。私、カメムシの匂いを一緒に克服した息子にも、その手の匂いを嗅がせてあげようと息子の部屋へと行きました。めっちゃ怒られました。え? こんなにもいい匂いなのにぃ? キャッ、キャッ🌿。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です