20240403 | atelier naruse

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2024.04.03

20240403

 頭が痛いので天気予報を見ましたら、やっぱり雨マーク。そんなわけで、書くことが思いつかないので、先日までの展示会期間中、だいたいこの1週間で観た映画のなかで面白かったものをご紹介いたします。

 ひとつめ、アニメーション映画『BLUE GIANT』。原作の漫画は読んでおりましたし、評判も聞いていたのですが、予告編を観て「うーん」となってしまったので、映画館へは行かなかった作品。あらすじは、ジャズに魅了された青年が地元の仙台から上京し、同世代の仲間とバンドを組んで・・・というお話。正直なところ、アニメーションとしてはかなり荒削りでしたが、肝心の音楽シーンの演出と上原ひろみがリードした劇中音楽とその演奏が圧巻。序盤15分ほどはちょっとダレてしまうかも知れませんが、そこからはテンポの良いストーリー展開で一気に最後まで観れてしまいます。映画館で観るべき作品だったと思いますが、おうちでも充分に興奮できると思います。音楽をテーマにした小説やマンガ原作の映画化は本当に難しいと思いますが、こちらは稀有な大成功例なのだと思います。

 ふたつめは、『さかなのこ』。みんな大好き “さかなクン” の自叙伝をもとに実写映画化された作品。ただし、さかなクンを演じるのは、“のん” ちゃん。その他の設定も説明することが難しい不思議な不思議な作品です。そして、何がすごいって、ファンタジーに思える劇中でのエピソードの多くが、さかなクン自身が実際に体験していることであり、映画化にあたって多少のデフォルメはされているにせよ、改めてさかなクンのロックな人生に震えますし、感動します。もちろん私はさかなクンが大好きで、まだ小さかった息子と講演会へ行ったこともあります。その会での質問コーナーで残念ながら当ててもらえなかった息子が、普段はグズらない子だったのに、ちょっとすねて泣いていたのもよい思い出。あの講演で「お風呂のお湯はすぐに流さないで、お湯が冷めてから流して欲しいんでギョざいます。なぜなら、お魚さんたちのいる海の温度が高くなってしまうのでギョざいますねぇ」と話していたことは今でも我が家のルールになっております。ちなみに、この作品が好きな方は、同じ沖田修一監督の『横道世之介』がおすすめでギョざいます。

 みっつめは、『歩いても歩いても』。上記2作品とは違って、こちらは2008年公開と約15年前の作品。監督は『万引き家族』の是枝裕和です。私も、成瀬文子さんも、初期是枝作品の大ファンでして、2人で映画館へウキウキしながら観に行ったことを覚えています。当時も「おー、さすが是枝監督」と感動はしたのですけれど、あれから15年が経って随分と年齢も重ねた今、再び観てみるとより深く刺さりました。あらすじは、阿部寛演じる「良太」が、子ども連れで再婚をした夏川結衣演じる「ゆかり」とその子どもとともに、兄の命日に実家へ帰省する、という2日間のちいさなお話。ちなみに、姉の「ちなみ」を演じるのはYOU。母親を演じるのは樹木希林。父親を演じるのは原田芳雄という超豪華キャストです。

 どうして再び観たのかというと、先日に行ったハナレグミのライブで、同じ是枝作品の『海よりもまだ深く』の主題歌を聴いたから。ただ、私、あれだけ好きだった是枝作品がここ近年のものはちょっと苦手になっていまして、あまり好んで観ることをしていなかったので、とりあえずNetflixでお手軽に観ることができた『歩いても歩いても』を観てみた、という感じです。もうほんと「これでもか!」というくらい人間のずるさやいやらしさを冒頭から静かに連発してくるので「これはホラー映画でしょうか」という怖さがあるのですが、同時に人間のかわいらしさや愛すべき弱さや優しさが滲み出てきて、思わずグッときちゃいました。未見の方で、40代以上の方には特にオススメでございます。

 このことに感化されて、まさに今、私には是枝作品ブームが再来しております。ずっと観ていなかったNetflixのオリジナルドラマ『舞妓さんちのまかないさん』を昨夜から観ておりますが、これが本当に素晴らしいですね。成瀬文子さんからずっと薦められていましたが、もっと早くに観ておけばよかったです。とある映画(ドラマ)には、その女優さんのもっともキラキラした瞬間を収める、という役割があるかと思いますが、同作における森七菜ちゃんやその他の女優さんのそれは本当に美しいと思います。あ、是枝作品の長編映画デビュー作『幻の光』における江角マキコも本当に美しいですよ。

 そんなわけで、あのたいせつな展示会期間中に真夜中から映画を観るなんて自己管理どうなってんだ、という感じですが、私の中ではこれが自己管理でございます。だって、今夜もこれから観る『舞妓さんちのまかないさん』がとっても楽しみですし、その感動を引きずって起きる朝も大変に気持ちよいのです。でも、夜中に映画を観ることは、あんまりオススメいたしません。ギョギョギョ。

◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です

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成瀬文子

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