2024.03.06
20240306
もしも私がクイズ番組活躍系タレントなら、すぐさま会見を開いて「引退します」と宣言するだろうと思われるくらい、ここのところ目に見えて記憶力が衰えております。「えーと、あれなんだっけ。あれよあれ。あれ? なんだっけ?」といった加齢あるある物忘れ方面はもとより、「前にあなたに言ったじゃん」「前に自分で言ってたじゃん」と第3者から指摘された事柄を本当にまったく覚えていないということが日に日に増えております。
年齢を重ねればそういうこともございますでしょうよ、というレベルだとは思いますが、私にとっての記憶力は、自分が有している冴えない能力の中ではそれでもちょっと自信のあったところ、時と場合によっては「まかせとけい💪」とカッコつけることができたところ、時と場合によっては part.2「なんでそんなこと覚えてるの? すごーい & 気持ちわるぅー」と評価されてきた “私” という人間のパーソナリティーを形成、ひいては社会人としての存在意義を下支えするものでありました。
歌手でいえば、声。野球選手であれば、肩。お笑い芸人であれば、瞬発力。といったように。ひとことでいえば、私にとっての記憶力は、そんな “ウリ” の部分だったわけです。私は記憶力でアイデアを生み、記憶力で文章を書き、記憶力でコミュニケーションをとってきた。だから、へこむ。私、思いのほか、凹んでおります。もう、私はダメかもしれない。
なにいってんの! 凹んだら飛べばいいじゃない。記憶力が悪いって? 過去を見ずに、未来だけを見つめていればいいじゃない。
そんなあたりさわりのよい言葉は、今の私には焼け石に化粧水。猫にペソ。糠にチェーンソー。おっす、オラ、ヤムチャ。触らぬ悪魔に祟りなし、でございます。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です