2024.02.26
20240226
土曜日、家族3人で大阪の中之島美術館へ。目的は、東京からの巡回展として2月10日から開催されている『モネ ~連作の情景~』。まだ開催直後ということもあって、入場するための行列は館外にまで伸びており、それはもう大盛況でございました。
ただ、大盛況とはいえ、(この絵はじっくり観たいなぁ)と思えば割とその願いは叶っちゃうのが美術館のいいところ。たとえば、音楽のコンサートではそれが叶わないケースがどうしても多くなると思いますが、美術館は人が多くても(もうっ。人多すぎっ!)というストレスがあんまりありません。だいたい満足して帰宅の途につくことができます。
ただ、美術館へ行くのは作品(本物)を観るという目的はもとより、「グッズを買う」というたのしみも外せませんが、今回は展示会場を出てすぐに設置されているグッズ販売ブースの混みようが本当にすごかった。下手をすれば1時間は待ちそうだったし、一番手に入れたい図録は館内にある別のミュージアムショップでも購入することができるということで、今回はしぶしぶ諦めたわけです。
で、なにを言いたいのかといいますと。帰宅後、そうして手に入れた図録のほかに、別に購入したモネの作品集のページも開いてみましたが、モネ、印刷物では本物の色がまったく出せていませんよ、ということでございます。
いや、これは図録の批判でもありませんし、モネに限った話ではなく、現代の印刷技術ではあらゆる絵画の色を忠実に再現することはそもそもできないのは周知の事実ですが、私が知りうる限り、モネは特にそんな印刷技術の限界を感じました。つまりは、モネ、その目で実物を観ると、色が相当ヤベぇっすよ、ということでございます。
ちなみに、モネをはじめ、ルノワール、シスレー、バジール。俗に印象派のモネ・ルノワール派と呼ばれるこの仲良し4人組(あと、その先輩ピサロとか)は、本当に穏やかでいい人たちだったんだろうなぁ、というのも私はグッとくるところ。そもそもあらゆる作品の良し悪しとその作者の人柄はまったく関係ないと思っていますが、それでも、いい人の方がいいじゃん、が私の信条。
はたまた。モネは、今回の目玉作品にもなっている有名な連作「睡蓮」など、若くして亡くなった最初の奥さんへの鎮魂として絵を描いていたところがあるという説があります。きっとその説は本当なのだと思いますが、それに加えて「あぁ、本当に絵を描くことが好きだったんだなぁ」という感じが今回ずらりと展示された作品群を観て強く感じましたし、なんだか心が洗われる思いでございました。
そんなわけで。関西エリアにお住まいの方、今回のような連休などで関西へお越しになる予定がある方は、ぜひ、おすすめの展示でございました。開催期間は、2024年5月6日(月・祝)まで、でございます。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です