2024.02.22
20240222
世の中は受験シーズン真っ只中。大学受験は終わったところもあるだろうし、高校受験はもうすぐ本番、というところかしら。中学受験や小学校の受験は私も息子も未経験なのでよくわからないのですけれど、きっと、真っ只中。であろうと、思われます。
ときに、私が中学生だった頃。中学一年生や二年生の頃は「テストのために勉強をして、いい点を取るなんて卑怯だぜ」という名目のもと、机に座って勉強するなんていうことはまるでなく、部活も休み、学校も昼間には終わる、という特別なテスト期間は、貴重なリフレッシュ期間、ということで、普段はできない見様見真似の釣りに出かけたり、家で音楽を聴いたりマンガを読んだりしてダラダラと過ごしておりました。
ただ、アレは忘れもしない、もうまもなく中学3年生に進学するという春休み。私はとってもカッコつけでしたし、学校にはそれこそ勉強もよくできる好きな女の子もいて、「えー。卓馬って勉強できるのぉ! かっこいいー!」と言われたいがために、地元では一番の高校になんの根拠もなく進学するつもり満々だったのですが、ふと(あれ、このままだと希望している高校はおろか、どの高校にも行けないのでは)と気がつき、急に焦り出した夜がありました。
いてもたってもいられず、私は母親に「今まで気が付かなかったけど、あ、あなたもちゃんと高校に合格したクチか!」と詰め寄り、「・・・は? なんや急に。・・・まあ、合格したわな」と妙に自信満々な口調で夜に洗濯物を干していた母親が突如としてまばゆく見えたことを覚えております。
その日を境に、私は一年生の教科書から何からすべてをタンスの奥から引っ張り出し、その春休み中に失われた2年間を取り戻すように勉強をしはじめると、そのまま、結局は高校三年生までガリ勉人生を歩むことになります。
結果、私は希望していた高校に合格することができたのですが、高校一年生の一学期。初めて行われた個人懇談の場で「お前、合格ラインギリギリやったんたんやけどなぁ、なんでや」ということを担任に言われました。何を隠そう、担任が疑問形でそんなことを言ったのは、私の一学期の成績がまあまあ良かったからです。えへん。
ただ、私には心当たりがございます。
そう。あの日。受験当日のあの日。私は歩くのも辛いほどおなかを壊しておったのです。では、どうしておなかを壊していたのか。そう。それは受験本番の前夜。私が「緊張で眠れない」と父と母が晩酌をする台所へ向かったところ、「なにぃ!? 胆っ玉がちっちゃいのー。こりゃもう、しゃーないな」と私の目の前にコツンと日本酒の注がれたお猪口が差し出されたため、だと思われます。
こうしてみると、なんとなく関西エリアで起こりそうなエピソードと関西エリアにはよくいそうな豪快なオトン、オカンに思えますが、私の地元である三重県の伊勢は関西エリアのような東海エリアのような、という中途半端な文化圏ですし、両親も普段は至って平凡で真面目な草食系です。ですが、あの日。両親は受験本番を翌朝に控えた未成年の中学生に日本酒を振る舞ったのでありました。(時効です。たぶん)。
今思えば、両親も、眠れないと不安がる息子を前に「どうしよう」と焦ったのかもしれませんし、まぁ、おなかを壊したのは単に私がビビリだったせいかもしれません。
何より、あの夜に飲んだ日本酒の熱燗は驚くほど美味しく、ふわぁ、っと、えへへへ、と、とても気持ちのよい眠りにつくことはできたのでありました。
そんなわけですが。
なんだか「ちょっと多すぎない?」という感じがする今月2度目の三連休。冬の冬休み(?)は終わって冬らしい三連休の週末になりそうですが、ここ数日の気温差で体調を壊されませんように。わたしたちアトリエナルセからは春をお届けしますので、お時間があるときにでも、お花見気分で、ぜひまたのぞきにきてあげてください。
ではでは、みなさん。また来週。受験生、がんばれ。春うらララララ~🌸。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です