2024.02.15
20240215
夕暮れ、ウッドデッキの街灯をつけて外で佇んでおりましたらば、寒さのなかに日中のあたたかさがぼんやりと残っている感じが、夜桜を見ているときの其れでございました。
ことしの冬はここいらで雪は一度も積もらず、結果的には暖冬ということになるのでしょうけれど、それでも、あたたかいなぁ、とふんわり春を感じるとパッとうれしくなるもんでございます。
しかしあれですね。暖冬暖冬と聞くと「コートもいらない感じ?」と私なんかはすぐに思ってしまいがちですが、そんなことはまぁないわけで、じゃあ、暖冬じゃないじゃん。めっちゃ冬じゃん、となりますが、そもそも冬の本気を感じにくいこのあたりのエリアでは、いわゆる温暖化にまつわる冬の体感の違いは夏に比べると僅かな差なのかもしれません。
そういえば。ここいらでは相も変わらず主にインフルエンザBによる学級閉鎖があちらこちらで起こっている様子ですが、みなさんのまちではいかがなもんでしょうか。こちらを読んでくださっている方の中にも「我、罹患中也」という方がいらっしゃるかもしれませんが、早くようなりますように。
そんなインフルは、コロナ以前は真冬の寒い時期に流行するものと相場が決まっていたもんですが、コロナ以後のインフルは完全にグレちゃってますから、夏だろうが冬だろうが、暖冬だろうが何だろうが。所かまわず、季節かまわず、パラリラパラリラ、マチからマチを暴走しております。まったく。2月に流行るなんてこれまでにあったかねぇ。
・・・あ、ありました。あれは忘れもしない、私、高校一年生の2月でした。「きょうは、きょうだけは、どうしても学校に行かなくちゃ」。熱があるのにも関わらず、私は周囲の反対を押し除けてフラフラの足取りで登校をしたのでした。当時は「そんなに熱があるのに学校来てるの!? 偉いねぇ」という雰囲気がまだ多少残っていましたし、あの日はね、まだ見ぬあの娘が待っている学校へ行かなくちゃいけない日だったのです。「まだ見ぬ君よ、君の想いを決して僕は裏切らないから」。だから、覚えているんですねぇ。
結局、学校から帰ると、インフルエンザでした。あの娘はいませんでした。誰からもチョコレートはもらえませんでした。あれは、1995年2月14日の出来事でありました。バレンタインデーになると必ず思い出す、私の甘い青春の1ページです。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です