2024.01.26
20240126
この週末は法事法要のため、私の実家がある伊勢に弾丸日帰りツアーの予定でしたが、道中の滋賀あたりが大雪で一部は通行止めになっているところもあるのだとか。金曜日に雪が降らなければなんとかなるかしら、と思いつつも、大雪の翌日、ノーマルタイヤのマイカーで早朝のハイウェイをドライヴィングするのは大層デンジャーかもね、と、雪国(長野)出身の奥様・文子。さて、どうなるやら。婆ちゃん、行けなかったらゴメン。
そんな婆ちゃんは、私の母方の祖母。私は彼女の初孫でしたので、それはもう溺愛。大層かわいがってもらいました。ただ、きっと “婆ちゃん” という言葉からみなさんが今想起されたイメージは、そこからもう少し野村沙知代方面に舵を切っていただきたいのですけれども。と言いますのは、私の婆ちゃん。戦前生まれにしてバリバリのキャリアウーマン。旦那(つまりは爺ちゃん)のお財布を当てにすることなく生涯で4軒の家を建てた剛腕。負けん気が強く、言葉も強いし、何より思い込みが強いために自分が「こうだ」と思うと即行動。そのため、たとえば小さな伊勢のまちでは少々目立つ存在で、親戚からも少々煙たがられておったわけですが、そんな婆ちゃんの名前は、あやこ。
はい。私が一生を添い遂げると誓ったお相手も、あやこ。ついでにいえば、私の初恋の女の子の名前も、あやこ。それぞれ漢字こそ違えど、それこそ親戚からは「卓ちゃん(私)は、きっと、あやこの呪いにかかっとるんやに(伊勢弁)」という噂がたったとか、たたなかったとか。(もうひとつついでにいえば、婆ちゃんの家は戦禍で焼けてしまったものの割と立派な呉服屋でございました。なんか怖っ)。
ことほどさように。キャラ強め。私の人生にも深く足を踏み入れがちだった婆ちゃんは、90年の人生を暴走列車のように駆け抜けていったわけですが、それでも私は婆ちゃんのことが好きなんでしょうね。今も私の部屋にある電子ピアノの上に KAN の写真と婆ちゃんの写真は並んで立っており、毎日その顔を拝んでおります。
そして。その隣には高畑勲の追悼雑誌も立てかけているわけですが、そういえば高畑勲の顔と婆ちゃんの顔はそっくりでございます。そんな高畑勲が生まれたのは、実は、伊勢。え。もしかすると遠い親戚筋にあたるのではないか、私も年齢を重ねたらあんなふうになれるのではないか、と心昂るわけですが、残念ながら私はそんな婆ちゃんにドロップキックされていた(実話)爺ちゃんの顔にすこぶる似ておりますので、期待薄でございます。
そんなわけで。
みなさま、今週もお疲れ様でございました。今週末は冬らしいお天気になるエリアが多くなるようですが、風邪などひかれませんように。すてきな、たのしい週末をー。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です