2023.12.15
20231215
私はこの一年半、折に触れて釣り道具の整理ばかりしています。
そういえば、みなさん。釣りに行ったら、その日の運次第では、いろんな魚が釣れる可能性があるとお思いでしょ? 私もね、そう思っておりました。「場合によっちゃあ、深海魚なんかも釣れちゃったり? うふふふ」などという今ではすっかりなくしてしまったピュアな気持ちも持ち合わせておりました。でもね、ノンノンノン。船に乗らずに近所の堤防や漁港などで釣ることができる魚の種類なんて実は相当限られています。もちろんエリアにもよりますし、オールシーズンで考えればそれなりの種類はいるのかもしれませんが、たとえば関西。私が先日に一人で行った釣り場で今の時期に釣れる魚は、アジ、サバ、メバル、カサゴ、チヌ、スズキ、とまぁ、そんなところがメインです。(たぶん)。
そんでもって、みなさん。釣りは、一本の竿さえあれば、なんでも釣れるとお思いでしょ? 釣れる魚の種類が少ないのであれば、余計に。うんうん。私もそう思っておりました。「釣りってのはさ、海っていう宝箱に釣り糸を垂らして、何が釣れるかがわからない、ってのがたのしいんじゃないの?」と。でもね、ノンノンノン。昔のことはいざ知らず。これだけ釣りというエンターテインメントが発達、進化した現代における魚は、そんなに甘くはないのです。
みなさん。聞いておどろけ。実は現代の釣り業界、決して大袈裟ではなく魚ごとに専用の竿、道具があるのです。わかってます。私もね、はじめて釣具屋さんへ行った際はクラクラしました。「おいおいおい、釣り業界、やってんな」と思いましたよ。しかしですね。やっぱり、専用の竿、専用の道具、専用のエサでないと魚は本当に釣れやしないのです(たぶん)。
しかも、ですね。何が困るって、たとえば擬似餌(ワーム)。これが 0.5inch 単位で長さが刻まれていたり。そんな擬似餌をつける針(ジグヘッド)なんて、0.4g だの、0.6g だの、0.2g 単位で重さが刻まれている始末。そこに加えていろんなメーカーがこちょこちょとした工夫でいろんな差別化を図ってくるもんですから、(それぞれ値段は300円とか500円とか、決して高いものではないものの)、「これも試してみないとな」と、どんどん道具は増える一方なのです。そんでもって。やっぱり、その 0.2g や 0.5inch の差で、釣れる、釣れないは大きく左右するのであります(たぶん)。
ことほどさように。
私は日々増え続けるそんな細々とした道具を、自分が想定する釣りに合わせて、日々整理し続けている。自分の知識が増えるにつれて変化していく釣りの想定に合わせて、整理し直し続けている。というわけです。そして、今。潮の満ち引きを示すタイドグラフでいえば、私の釣り道具整理熱は満潮のピーク時です。
というわけで、みなさん。
「私は何を読まされているんだろう」と顔をしかめていらっしゃいますね。すみません。私はここで懺悔をいたしますと、ここ一週間、オンラインのジャングルからプラスチックでできた釣り用の種々多様なボックス(300円~1,000円程度)が毎日のように届いています。届けてくださる方にご足労をかけないためにも一度にまとめて買ったほうがよいに決まっているのですが、整理をしながら、毎夜毎夜、繰り返される脳内釣行。そのたびに「あぁ、この整理の仕方ではダメだ」という思いが募り、別のボックスをついつい買ってしまっています。本当にすみません。
この一週間、そんなわけで毎日顔を合わせるお兄さんには「毎日、本当にすみません」と言いますと「いえいえ、いいっすよw」と返していただいていた訳ですが、私は思うのです。世の中の、特に日本人の「すみません」は「ありがとう」に変えても問題のないことがほとんどだと思うのです。みなさん、そう思いませんか。ですから、私は「ありがとうございます」と満面の笑顔でお兄さんに言いました。ちょっと、気持ち悪がっていた感じがしました。
でも、もう大丈夫。お兄さんにご迷惑をおかけすることはしばらくはありません。もうすぐ、完璧な整理ができる予定ですから。
成瀬文子👩「やたらと Amazon から荷物届いてる気がしてたけど、そういうことだったか!」
早川卓馬👨「ありがとう」
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です