2023.11.07
20231107
問題です。『とあるスポーツ用品展で、バットとボールを買うと合計1,100円。バットはボールよりも1,000円高いのですが、さて、この場合ボールはいくらになりますか』。はい。お考えください。
チック🕰️タック⌚️チック🕰️タック⌚️
はい。タイムオーバー。
みなさん、お分かりになりましたでしょうか。わかりましたか? 本当ですか? はい、「ボールは100円!」と答えたアナタ! 残念です。ちがいますねー。
もう一度、よーく考えてみてくださいね。
チック🕰️タック⌚️チック🕰️タック⌚️
はい。バットはボールよりも1,000円高いわけですから、ボールが100円だと、バットは1,100円になってしまって、合計は1,200円になってしまいますよ。あれれれれー。
チック🕰️タック⌚️チック🕰️タック⌚️
・・・はい。お見事。そうでございます。答え。ボールは「50円」! そうすると、バットはボールよりも1,000円高い「1,050円」になり、合計は、めでたく「1,100円」になります。パチ👏パチ👏パチ👏。
と、そんなわけですが。
どうしてこんな問題を突然出題してみたのかといいますと、私、同じ問題にぶつかった際、「どうしてボールが100円じゃねーんだ!」と10分くらい悩んだからであります。私と同じように「ほえ?」となった方も、“バットはボールよりも1,000円高い。つまり、ボールが100円であった場合、バットは1,100円になる” この一文がなければ、もしかすると長時間悩まれたかもしれません。
頭の動きというのは、いわゆる日常使いのパッとした反射的な動きと、グッと論理的に考える動きの、大まかに分けて2つのステージにどうやら分かれているようです。
つまりは、今回の問題で「ボールは100円!」となるのは、日常使いの反射的な動きにより導き出されてしまった答えというふうに考えられそうです。さらには、私なんかの場合ですと、そこで導き出された答えに固執してしまったことで、正しい答えになかなか辿り着けなかった、というわけです。
いや、私はですね、どちらかといいますと、いわゆる、頭はやわらかいほう、そんなタイプだと恥ずかしながら信じておりましたが、なんとなくの肌感としまして、ここのところ年齢を重ねるにつれ、さまざまな物事に対して、ここでいう “脳の反射的な動き” でアプローチすることが多くなってきている気がしておりましたから、なんだかちょっとドキッとしましてね。特にオチはない話で恐縮ですし、すぐに正しい答えが一挽かれた方にはなんのこっちゃと思われたことと思いますが、私は「こりゃ、他にも同じようなパターンで間違えていること、間違えそうなこと、いっぱいあるな」と思った次第でございました。
論理的に考えることがすべてにおいて正しいわけではきっとありませんが、ちょっと意識してみようかしら。歳をとると頭がかたくなる、って、たぶん、きっと、こういうことだワ。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です