2023.10.27
20231027
双方向性、とか、インタラクティブ、といった、なんとなくカッチョいいビジネス用語がありますけれども。たとえば私が「○○○○って、みなさん、どう思います? YES? NO?」と質問をすると、みなさんからの「YES!」とか「NO!」が届く、という対話が可能な距離感、関係性。もしくはそれらを可能に、簡単に、気軽にするシステム。そんなところをインタラクティブというのだと思います。たぶん。
一方、現在の atelier naruse は、というと。たとえば、ここ【Today’s Memo】は私の言いっぱなし。一方向です。SNS も一通り活用させていただいてますが、アパレルメーカーという性質上のこともあってか、それこそインタラクティブであるべきそんな場所もコメント欄や DM はほとんど機能していない、機能せずとも情報発信媒体としては十分に成り立ってしまうのが実情です。
あ。一時期、コロナ禍がはじまった際に私はこっそりとはじめました『ボクラノラジオ』という YouTubeラジオ番組 も、「大変な時代になっちゃったなぁ。こういうときにお客さんと対話ができるような場所をつくることはできないものか」とはじめてみたものでしたが、私の実力不足で多くの方に届けられるようにはならなかった、インタラクティブなものにはならなかった、という感じでございます。
で。どうしてこんなことを書いているのかと言いますと、他でもない。今はまだない何かしらのカタチで、(もしかするとすでにあるのかもしれない場所で)、それでも今よりはみなさんと繋がることができる方法、みなさんが繋がってみたいなあと思える方法を見出したいなぁ、そんな場所があってもいいのかなぁ、と最近よく思うからであります。
かといって。そもそもインタラクティブな関係性を築くには、そうしたいと思ってもらえる “魅力” “興味” “必要性” というものが私や成瀬文子さんに必要なのだと思いますが、私たちが提供しているエンタメ(?)が “洋服” という実際に着てもらってスタートするエンタメ(アイテム)であり、そうなると決して少なくはない金銭の授受がどうしても発生してしまうものであることを考えたとき、(アパレルとは関連付けながらも)それ以外のもの(エンタメ)を提供していくことも必要なのではないかと思っていますが、今のところ【Today’s Memo】や【ボクラノラジオ】程度のことしか私にはできませんし、思いついていませんし、そもそも、アパレルメーカーにそういった場所が必要とされているのかどうかも実はまだよくわかっていません。とまぁ、要するに、その解決策につながる光明がなにか見えているわけではないですし、今はまだ “思っているだけ” なんですけれども。
ただ、私も45歳という年齢になりまして。2023年という今。atelier naruse という決して大きくはないブランドのことを何かの縁で知ってくださっていて、もしかするとその洋服を着てくださったことがあって、今もその動向をちょっと気にしてくださっている方がいる、というこの状況は、大袈裟かもしれませんが、なんだか奇跡のように思えてきましてね。もちろん、ベタベタとした関係を築きたいわけではないのですけれど、それでも、たまたま同時代を生きていて、たまたま間接的にでも接点を持つことができた方々と、もう一歩進んだ、教室でいえば机ひとつ分、もしくはふたつ分くらい近づく感じになれたら楽しいのかなあとやっぱり思ったりもするのです。みなさん、どう思われますでしょうか。
なんかね、バカの壁というのか、コペルニクス的転回というのか、「あ! こうすれば、こう考えればよかったんじゃん!」というような類のものである気はなんとなくしているんですけれど、なにかしらそういった動きを私がしはじめた時には、ぜひ、みなさん、応援よろしくお願いいたします。
というわけで。なんだかんだと10月さいごの週末でございます。atelier naruse も10月の締めくくりとして、10月の新作たちを、ここ【the an】でもドドんとお披露目いたしますのでね。秋の夜長、のんびりとした時間に、ぜひゆっくりと洋服たちをご覧いただけましたらば之幸いでございます。ではでは、みなさん、よい週末を🕺。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です