20230818 | atelier naruse

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2023.08.18

20230818

 7月中に宿題を終わらせるタイプだった私のDNA。8月31日に宿題に焦るタイプだった成瀬文子さんのDNA。そんな2人のDNAを受け継ぎ生まれた息子。そして、昨年の夏。あのときは私のDNAが活躍していたのかもしれないと思われる息子のなかで、今年の夏は成瀬文子さんのDNAが暴れ回っている様子。そう、思っておりました。

 といいますのも。私の息子は市内の公立中学校に通っておりますが、現在の中学生には「理科の自由研究」という “小学生じゃあるめーし” という宿題があることをつい最近知り、かつ、お盆時期に入ってもまったくそこに手をつけていなかったらしい息子のスケジュール管理不足に呆れて「お前、いったいどんな宿題が出ているのさ」と確認いたしますと「・・・ん。なんだこれ。宿題多すぎね?」という内容でございました。

 先の自由研究をはじめ、楽器のことをレポートで提出しろ、作曲しろ、絵を描け、自由作文を書け、人権作文も書いてついでに標語もつくれ、時間があれば技術や家庭のあれやこれやも。あ、もちろんドリルは各教科しっかり用意してあるんでそれはマストでね。という具合でございます。

 先生、あのね。この暑い中での部活、他にも本気で “やりたいこと” や “やれること” がたくさん出てくるだろう中学生の夏休み。決して長くはない限られた時間の中でそれぞれの課題をクリアするとなるとできることなんてたかが知れています。ということは出された課題は適当にやっつけていくしか方法がない。つまりは面倒なだけ。時間の無駄です。そんなものは身につかないし、むしろ課題に対して取り組んだ経験としてよろしくない。こうなると “文子DNA” のせいでも(なんかすみませんでした)、(甘いと言われるのかも知れませんが)息子のスケジュール管理不足、能力不足だけが問題ではなくなってきたぞ、と。

 そもそも、先生。あなたなら、こんな大量の課題を満足にクリアできるのですか、と。仮に課題の出来・不出来よりも課題をクリアするのが主たる目的だったとして、そこにはどんな意図があるのですか、と。要領のいい子もいるのでしょう。それはすばらしいことです。でも、それはすべての子に必須な能力ではないはずですよ、と。「こんなんできるわけねーじゃん。ガハハハ」と笑える子もいるでしょう。それはすてきなことです。でも、私の知る限りでは、真面目でやさしくてちょっと気弱な子がほとんどです。そんな子は、真面目で、真面目だからこそできなくて、無駄に自信をなくさせることにはなりませんか、と。

 いずれにしても。私、そういった状況にだんだんワナワナきてしまいましたので「もうええ。こんなアホな宿題なんて無視してまえー!」とフンガフンガしておりましたら「まあまあ。そんなアホとか言わない言わない」と息子になだめられて「そんなこと言うならさっさとやっつけとけやー!」と家庭内不和が起こりそうなんですけど先生どうしてくれんすか。

 そして何より。内申書や成績とかいう脅迫状のようなものを暗にチラつかせて宿題を強制するなんてのは、ほとんど暴力です。おそらくこの点については中学生であるとはいえそれでもまだ中学生の子どもたちよりも親を脅す効果の方が高い。そうすると、子どもの将来を心配した親は子どもをつい叱ってしまうという構図が生まれてしまう可能性もある。あ、そうか。こうやって、これから子どもたちの未来に立ちはだかることがあるだろう理不尽な社会の壁を中学生から擬似体験させようとしているのか。それも夏の思い出になるのかもね。なーるほど。・・・・・んなわけあるかぁー! 子どもらの邪魔すんなやぁぁぁ! 夏休みくらい、好きなことさせたれやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ😤

 ・・・はっ! いけません。興奮のあまり美しくない言葉を使いすぎました。深くお詫びいたします。

 なにはともあれ。もしかするとこうした状況は、兵庫県、もしくは宝塚市に限った話なのかもしれません。そして、同じ市内の別の公立中学に通う姪っ子やスタッフのお子たちの様子を聞くと、ほぼ同内容の宿題であることから、各中学校、各先生方の判断ではないのでしょう。決定しているのは教育委員会? もっと上の文科省? なんだか知りませんが、現場に実質の裁量権は与えられていないのだと思います。もしもそうなのだとしたら、先生。「生徒のことは自分たちが一番わかってる。こちらに任せろ」と、もっと怒っていこうぜ。あなたたちが怒らないツケを子どもたちに負わせてどうするのよ。変えておくれよ。アホすぎるぜ。抑圧したり、緊張させたり、強制したり、そんななかで子どもの能力は本当に育つのかね。

 ・・・はい。また熱くなってしまいました。不遜な意見が過ぎました。すみません。子どもは大人の思惑や心配をよそに、どんな環境でもいい思い出をつくっていける力がありますもんね。そうそう。きっと考えすぎでございます。でも、私は大人としてなんだか息子に、世の子どもたちに勝手ながらちょっと申し訳ない気持ちに、つい、なってしまったんでございます。クールダウン🤪

 ツクツクボウシの声。ほんの少し緑が色褪せはじめた庭の木々。まだチャンスがあるかも知れないじゃん。と思っていたから出しっぱなしにしていたけどついに片付けた水着。スーパーで売っていた肉まんにちょっとだけ踊った心。嗚呼、私の中でいよいよ漂いはじめた夏の終わり。お子たちに残された夏休みもあと一週間ほどでございます。

 思えば、ことしの梅雨明けは7月20日。まだ1ヶ月も経っていないことに改めて驚きます。なんだかんだと言いながら、ほら、夏はやっぱり短いのです。

 みなさんはこの夏、やり残したことはありませんか。

 ビアガーデンに行ってないぞ。この時期に必ず観てきた『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』もまだ観てないぞ。そういやTUBEを全然聴いていないぞ。短パンもあんまり履いていないぞ。

 残り少なくなった8月の週末。夏の疲れも出はじめる頃ではありますが、みなさん、それでも必ずやってくる別れに対する哀しい涙をグッと堪えて2023年の夏といっしょに笑顔のラストダンスを踊ってください。

 It’s all right 泣いたっていいんじゃない? 粋な別れに あー夏休み チョイト 終わらないで もっと まだまだbaby

 ・・・なんつー歌詞だ。でも、夏にできる経験は、ほんとたいせつなんだぜ。若いうちのそれは、一生の財産にだってなり得るんだぜ。そう、思うんだぜ。

◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です

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成瀬文子

What’s ‘the an’ ?

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the(定冠詞)と an(不定冠詞)を組み合わせたショップネーム。
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