そういえば。

　今週、7月31日の月曜日。2泊3日の城崎旅行のあいだ、予定されていた塾を休んだ息子には、大量の宿題が蓄積されていたらしい。当然「ヤベッ」となり、机に向かうもののまったくもってヤル気が出ず、宿題を終わらせるどころか、ただただ無駄な時間を過ごしてしまったことに対して、息子はひどく落ち込んだんだそうな。

　そして、迎えた8月1日の火曜日。いつものように、午前中の部活を終えると、息子は突然、塾で夏休み中開放されているという自習室へ行って宿題をやっつけるという。「そうかー、がんばれよー」と息子を見送ってしばらくすると「このまま塾におるわ。晩御飯は適当に食べる」という連絡が入る。その日の夜は塾の本番（？）があるので、そのまま塾に居続けるということだ。

　息子の通っている塾は私たちのアトリエ（仕事場）のすぐ近くにある。わざわざバスで家に帰るのが面倒だったとしても、事情を説明して母親にアトリエにいてもらい、アトリエで晩御飯をサッと食べるということもこともできるわけだ。何せ、中一。一人で外食はややハードルが高かかろう。それでも、“攻める” という。

　塾の所在地を考えると、おそらく食べようとしているのはマクドナルドかコンビニのお弁当あたり。まあ、そういうジャンクなものを晩御飯に一人で食べるというのも、きっと楽しいことなのかもしれない。

　私と成瀬文子さんは不意に2人きりとなった晩御飯を自宅で食べ、ろくなものは食べていないだろう帰宅後の息子にも晩御飯を用意し、塾が終わる21:45、私が車で迎えに行った。

「👨おー、お疲れやったのう」
「👦いやいやいやいや。さすがに長かったわー」
「👨何時間、塾におったんや。8時間くらい？ ようやるのう」
「👦自習室が真っ白い部屋でさ。ずっとおると、SFちっくな気分になって、この部屋以外は実はもう消えてなくなってるみたいな気分になってくるんよ」
「👨は？」
「👦は？」
「👨んでさ、お前はなにを食べたんよ」
「👦あー、ラーメン屋に行ったで」
「👨ラ、ラーメン屋！？ 攻めたねー」
「👦攻めてみたのさ」
「👨で、何食べたんよ」
「👦ミニチャーハン」
「👨は？」
「👦は？」
「👨は？」
「👦は？」
「👨ミニチャーハンだけ？」
「👦だけ」
「👨マジか」
「👦そうよねー。おれもそう思ったんよねー。さすがになかったよねー」
「👨ラーメン食えよ、ラーメン。」
「👦いやさぁ。たぶん、帰ったらご飯あるやろ？」
「👨まあな」
「👦しかも塾が始まるまでにちょっとギリギリやったからラーメン食べ終われるかなと思ってさ」
「👨いや、でもミニチャーハンて。」
「👦そうなんよ。自習室にずっとおったからボーッとしててさ。店員さんに“以上ですか？” って言われてハッ！としてさ。安いメニューもあわてて追加しようと思ってさ、“じゃあ、おにぎりも”って言おうとして、さすがにご飯にご飯はないなと気付いたね」
「👨よかったわ。ちょっとあせったわ」
「👦でも店員さんがいい人でさ。ミニチャーハン持ってきて “ごゆっくりどうぞ” って言ってくれるねん」
「👨まあ、どうみても小学生か中学生やし、やさしくしてくれたんやろな」
「👦 でも、心の中で “ごゆっくりは決してしません！” って爆速で食べたよね」
「👨はー。攻めたねー」
「👦攻めてみたのさ」

　2023年・夏。夏はこどもを成長させるという。今回の一件も、ご家庭によっては大きな驚きはないのかもしれない。しかし、我が家にとっては息子の中に成長を見たそれなりに大きな出来事だったのだ。そして、私は思う。お前、せめて友達と行けや、と。

　というわけで。

　暑い日がつづいております。私、夏夏夏夏ココナッツと夏が大好きだということをずっと書き続けている気がしますが、そんな私でも「こりゃ、んなこと軽く言ってらんねーな」と思う暑さでございます。セミも夜なのに鳴いていたりすることがあります。かるく動いていると風を感じるのか体感はまだマシですが、うっかり炎天下で立ち止まるととめどなく汗が出てきます。それからその洋服で室内に入ると汗が冷えて服も身体も冷たくなっちゃう。ですので、私、ここのところ必ず着替えは持って行くようにしております。

　ことほどさように。

　大人はもちろん、地面に近い子どもたちや高齢の方は周囲にいる大人が特に気にしてあげないといけないなと改めて思いましたね。たのしい季節は続いております。今週末もよいお天気になりそうですが、ひきつづき、体調管理には十分に気をつけてまいりましょーねー。

追伸：そうそう。撮影会、今回もぶじにたのしく終了。ほんとうにいい写真が撮れたと思いますので、新しい季節も、めちゃたのしみにしていてください

◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です