週に2度、1度目は20:30ごろ、2度目は22:00ごろ。これは、息子の塾帰りを主に私が近くまで車で迎えにゆく日でございます。その塾には行きと帰りに生徒たちが乗ることができる塾専用バスもあるのですが、定員オーバー。市バスに乗って一人で行って帰ってくるのもアリなのですが、いわゆる田舎バスのためバンバンバスが来るわけでもなく、生活リズムとの連携があまりうまくないので、中1にもなってやや過保護な気分がするものの、我が家では今のところそういうことになっております。
ときに。こちらを書いている今も、そんなお迎えから家に戻ってきたばかり。しかし、さきほどは、いつものように車で待っていても息子の帰りがいつもより遅い。アイツは何してんだと思うと、片手に缶コーヒーを持ちながら帰ってきている。話を聞くと五百円玉しか持っておらず、五百円玉を使える自動販売機を探していたら遅くなったのだ、と。
いえね、この話、だからなんだと言うわけでもないのですけれど、息子のお小遣いは月に500円。そんな貴重な500円を缶コーヒーに使うなんて「もったいねー」と思いつつも「わかるぜー」という感じがありまして。
なんというのでしょう。「缶コーヒー」という “ちょっと大人になった感じがするアイテム” を、塾という “ちょっと理不尽にも感じる社会システム” を完遂したあとに、ちょっとだけふてぶてしい顔をして飲んでいる “ザ・オレ感”。とでも言いましょうか。
少々話が飛ぶようであれですが、私、就職活動というものをしませんでした。しかしながら、何度か説明会には足を運んだことがあります。なかでもよく覚えているとある説明会では、「はい。当社にご興味を持つことができなかった皆様はここで途中退席いただいても構いません」というアナウンスがされましたので、(あら。ではここで)と席からガバッと立ち上がると、1000人は超えていたであろう参加者のなかで(え!? オレひとり・・・)ということがありました。
着慣れないスーツ。ボサボサの髪を無理やりにセットした髪。真剣に就職活動をしていた人から見れば(こいつ、ふざけてるのか)と思われても仕方がなかったであろう私は2000本のレーザービームのような視線を一気に浴びてしまったような気がして、けれど、若さとバカさがピークだった私はそのことを(オレってアウトロー)とどこかでは気持ちよく感じでいたような気もします。アホですね。そして、その帰り道。そのまま梅田の地下街にあったタワーレコードに立ち寄り、視聴コーナーでさんざん試聴をしたあとお金もないので CD は買わず外に出て、誰に対してなのかはわからない、すこし拗ねたような態度をしながらとても天気のよい平日の真っ昼間に飲んだ缶コーヒーの味を思い出した次第です。
な。そういうことだろ、息子よ。わかるぜ、息子よ。あの感じなんだろ、息子よ。
「いや、そういうのとはちょっと違う」。
あ、そうっすか。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です