一般の家庭でごくごく当たり前になっていると思われる習慣が、実は自分の家庭にはなかった。そういうことは間々あります。
我が家の場合、そういったアレコレを知るきっかけは、仕事場でのランチタイム、成瀬文子さんがスタッフのみんなから仕入れてくることが多い、いや、ほとんどです。
先日も成瀬文子さんを含めた女性スタッフ4名のランチタイム。4名(家庭)のうち2名(家庭)で、とあることが習慣になっていることが判明しました。それは、お米を土鍋で炊くこと。
はい。みなさんのご家庭ではどうでしょうか。検証するには決して充分な人数ではないものの、スタッフのうち半分が土鍋派であったことは、ちょっとした驚きです。我が家ではお米を炊飯器を使って炊いておりましたので、まさに青天の霹靂でございました。そして、成瀬文子さんはそういったことに非常に柔軟に、俊敏に感化され、実行に移される方ですので、あの日も鼻をふくらませて「あんな! あんな!」と帰宅して参りました。
そうです。あの日から、我が家も土鍋派です。
実際、土鍋に炊いたお米はとても美味しく、口の中でやさしくふくらむ甘みが生まれて、見た目もツヤが増している感じがします。なにより食卓の中心に置かれた土鍋からみんなでご飯をよそう所作もたのしい。加えて炊飯器を洗うよりも土鍋を洗う方が楽チン、ということで良いことづくめのように思います。
ただ、物事というのは何事においてもメリットもあればデメリットもあります。かわいいデメリットとしては、お米が美味しすぎていつもよりも食べちゃう、ということでしょうか。他にもいくつか考えられることはありそうですが、なかでも最も大きなデメリットだと思われるのは「保温ができない」ということでしょう。しかし、成瀬文子さんはこう言います。
「わたし決めた! 炊飯器、処分する!」
出ました。彼女は “猪突猛進レディー” 、“レディー・ゴー・レディー” なのです。
上記のとおり、私としましても “土鍋に炊くお米” の素晴らしさは十分に感じておりますが、それでも炊飯器は処分しないほうがいいのではないかと考えてしまいます。たとえば息子がお弁当の日。朝からお米を炊くのは大変なように思います。「それはな、お弁当は冷凍ご飯を解凍すればいいねん。みんなそうしてるねん」。はたまた、それでも便利であるからこそここまで普及したのだろう炊飯器。それは何がきっかけでそうなるのかはわかりませんが、我が家の土鍋ブームが急に終わるような気もします。「いや、ブームとかじゃないねんなあ。良いことしかないから。みんなそう言ってるし」。こうなったら成瀬文子さんはもはや聞く耳を持ちません。彼女から “みんな” が出たら、それはもう、止めることができないのです。そのあるのかないのか分からない表情は、まるで菩薩様のよう。
みなさん。近い将来、我が家から炊飯器はなくなるでしょう。しかしながら、私には見えています。新しい炊飯器のカタログをiPadでこっそり見ている彼女の後ろ姿が。そして彼女はこう言うのです。「あんな! あんな!」。
でも、土鍋で炊くお米。ほんとうにおいしいので、おすすめでございます🍚。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です