こちらが更新されている今頃は、息子の入学式に参列しているはずです。
いつのまにか卒業式と入学式が頭の中でごっちゃになっていて、(あ、そうか。春休みが終わったのか。これからは毎朝制服を着て中学校へ行くんだ)とふと気がつきました。
中学校に入学した当時、私はどんな気持ちだったのか。制服を着ることも嫌いじゃなかったし、部活も毎日新鮮で楽しかったし、“入学前に知り合っていた自分が通っていた小学校とは違う小学校の女の子” を好きになって、その子とは同じ中学校に通うことになって、しかもその子と同じクラスになって、毎日ウキウキ過ごしていたような気がします。
そんな自分の経験と照らし合わせれば「中学、悪いもんじゃないぜ」と胸を張って言えそうなもんですが、あれから私もすっかり大人になってしまって、ここから見えているのは昔とはちょっと違う景色だったりします。制服、校則、クラス、宿題、部活、定期テスト、それから高校受験。あんな不自由なものを自分の子どもはこれから背負っていかないといけないのか、と、そんなふうに思ってしまうのです。ちょっと気持ち悪い感性で書けば、「俺のかわいい子どもにアホなルールを課すんじゃねえよ!」と思ってしまうのです。
でも、一方で。今しか味わうことのできない、不自由さと、理不尽さと、それでもすばらしい “青春” という時代を思う存分に謳歌してほしい。たとえ記憶の器からいくつかこぼれ落ちてしまっても、それでもまだ充分なくらいの、せつない、くやしい、たのしい、うれしい思い出を抱えきれないくらいつくってほしい。そんなふうにも思うのです。
いくつになっても、親は子どものことが心配なものなのよ。これまでに何度も。本でも、ドラマでも、映画でも、そして母親からも聞いた、ありふれた台詞が自分の口から飛び出してしまいそうになるのを押さえつつ。
それでも、中学校入学、おめでとう。
センチメンタルお父さんは、貴方のことをただ、応援しています。
・・・いや。なんつーか、応援していました。
夕暮れ、晩御飯の支度をしながら成瀬文子さんと「明日から中学だねえ」という話をしているところに息子がやって来ましたので、「で、きみはさ、あしたから中学生ということに関して今どんなふうに感じているんだい」と尋ねたのであります。
息子「んー、まあ。そうねえ。楽しみ、っちゃあ、楽しみなんだけど。まあ、そこまでの関心がないというかなんというか。それよりも今は最終巻を読み終えたばかりの『進撃の巨人』に関心が集中してるっていうかね。まあ、そんな感じで」
父母「うそーーーーーーーーーん!」
心配だとか、応援するとか、なんだとか。そういうの、もうほんと、あんまり必要なさそうです。
君の青春は、君のものでした。
入学、ほんとうに、おめでとう。なんかあったら、手伝わせていただきまーす。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です