アトリエナルセの仕事場は大きく分けて2つあって、ひとつは、スタッフのみんなが働いているマンション。そして、もうひとつは、自宅 兼 本社。私はこの自宅 兼 本社にいることが多く、今もその場所でこちらの【Today’s Memo】を書いています。
ちなみに私の仕事部屋は自宅の玄関を見ることができる位置にあって、平日の日中であるにもかかわらず、大体いつもおうちにいる少々珍しい父親は、6年間、学校からランドセルを背負って帰ってくる息子を、この場所から「おかえりー」と迎えることができました。
息子が低学年だった頃は玄関の辺りで帰ってきた様子がしているのに扉はなかなか開かず、(なんかあったな)と玄関を開けると、案の定、帰り道で友達にからかわれて涙を溜めていたこともあったり。なかなか帰ってこないなと時計をチラチラみているとなんかいい感じのどんぐりやら松ぼっくりやらを拾っていたり。学年が上がるたびに授業数は増え、なんとなく疲れた様子で帰ってくることも多くなりましたが、それでも金曜日や祝日の前の日は必ず元気いっぱいのアホな少年で帰ってきました。
私が小学生だった頃も帰宅をしたときには必ず母親が出迎えてくれる環境で育っていて、「毎日おらんくていいで」と言っても、母親は当時にしては珍しい鍵っ子で「わたしは誰もいない家に帰るのが寂しかったからおりたいのよ」という答えがいつも返ってきたんでありました。
そのことを特に意識しているつもりはありませんでしたが、今になってみると、母親みたいなことを私もなんとなくしたかったんだな、というような気がしています。
成瀬文子さんもできることなら毎日そうしたかっただろうし、世のおかあさんやおとうさんはみんな、できることならそうしたいと思っていることと思いますが、今のご時世、お仕事のこともあったり、子どもの帰りを出迎えることは難しいご家庭もたくさんあるだろうなかで、私はある意味でラッキーだったのかもしれません。
こちらが更新されているきょうは、いよいよ卒業式。ランドセルは背負っていきません。
外で遊ぶことよりも家にいることが好きで、いわゆる “やんちゃ” というタイプからはほど遠い息子のランドセルは、6年間使ったとは思えないくらいきれいなままです。そんな息子のランドセルをひさしぶりに持ってみたら、とても重くて、ちょっと泣きそうになりました。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です