ここ数年、「年末のテレビってなんかつまんなくなったなー」とテレビをザッピングしていると必ず目に留まる番組『SASUKE』。何度かスルーしてみるもののなんとなくチャンネルは同番組に戻り、「なんでこの人たちはこんなに熱くなってんだ(笑)?」「いやいや、泣かんでもー(笑)」と大変性格の悪い話だが毎度嘲笑をしながら視聴しはじめる。
そして、そんな嘲笑をしている自分自身をかめが追い抜かしていくように、私の心はゆっくりと出演者たちに感情移入してゆき、そんな気持ちの変化にどこか戸惑いつつも結局は最後まで見ることになることは愚か、いつのまにかまるで自分が出演しているかのように若干の吐き気を催しながら出演者と一緒に各STAGEに参加し、成功すれば拳を突き上げ、失敗すれば落胆し、番組が終了するころにはなぞの筋肉痛に襲われる。
毎年のことなのに、この一連の過程は次の年末がくるまでにはすっかり頭の中から消え去ってしまう。そして、また来年の私は『SASUKE』を嘲笑し、いつのまにかW杯を超えるその年一番の興奮と感動を味わっているのだらう。
いったい私はなにを真面目に書いているのだらう。
いーや、それこそが、『SASUKE』なのであーる。布団を丸めてそこに抱きつき、だれか転がしてくれーと思うのであーる。家の中に段差を見つけると指先で掴まってみるのであーる。魚を見ると “フィッシュボーン” を思い出すのであーる。ランニングしている人を見ると(SASUKEに触発されたな)と思うのであーる。まちを歩いていてみかける電気屋さんとか靴屋さんとか塾講師とかサラリーマンを(いーや、あなどれねえ)などとと思うのであーる。
バザールでござーる。なんともかんとも。年末であーる。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です