第十三回 約束。

 

みなさま。紅白歌合戦もはじまり、今年も残り数時間。

「年内にあと1本は書いてよ」。数ヶ月前に園子さんと交わした約束を、私はこうして果たそうとしている。律儀です。

ちなみに、園子さんは大きなおなかを揺らしながらせっせとおせち料理を作っている。おセンチです。

 

 それはそうと、私には大晦日の日に必ず行うある習慣があります。それは、年始に書いた「目標」を読み返すことです。

「目標」というのは、年始に思いついた目標及び希望のあれこれを思いつくままに書き記していくというものなのですが、これが意外と馬鹿にできない。何が馬鹿にできないのかと言うと、そこに書いた目標や希望のあれこれが達成できたり叶ってしまったりするからです。

書くことは何でも、いくつでもよいのです。ただ、ここで大事なのは"書いた内容は必ず忘れてしまう"ということ。

たとえば、私は過去に「紅白に出場する」などと書いたことがありますが、「おれ、年始に面白いこと書いちゃったな。どこでデビューするのかな」なんてことを折に触れて思い出してしまったので、やはりこれは達成できませんでした。

 ちなみに、「オーラがあると言われる人に"オーラがあるね"と言われる」などと一見するに不明瞭なことを書いてみたこともあります。が、これは見事に忘れていたため、若干のニュアンスに違いはあったものの達成しましたよ。

「じぶん、めっちゃ熱いやん」。私はあの年、ダンシング・オールナイトな熱い男、もんたよしのり氏にそう讃えられたのです。なんでも書いてみるものです。

 

 また、この「目標」には叶う、叶わないにかかわらず、自分という人間の成長度を測ることができるという点にも効果があります。そこに書かれた目標や希望にはその時の自分が大きく反映されているからです。

私自身のことで言えば、昨年はプライベートでも仕事でも予測不能な出来事が頻発した一年だった訳です。ですから、今年の「目標」に書かれた内容にはそんな心揺れ動く自分が投影されていることは間違いありません。そして、一年という時間を掛け、おそらくは当時の状況を脱しているであろう今の自分がどこか誇らしく感じる大晦日らしい充実の時が訪れるのです。

 

 さてさて、そんなわけで今年の「目標」が今、私の目の前にあります。せっかくですので、みなさまにもその内容を一部紹介させていただくことにしましょう。

 

 1.死なない

 2.ハゲない

 3.太らない

 

 ・・・・・・みなさま。ここに書いた一部の目標は見事に叶ってはいますが、おそらく心揺れ動くいくつかの出来事により、当時の自分に何かしらの不協和音が鳴り響いていたことが想定されます。いけない、この大晦日の忙しい時に哀しくなってまいりました。

また、このままではみなさまの中にある私のイメージが、ただの中年太りの親父になってしまいますので、叶っていた目標をもうひとつ紹介させていただくことにします。

 

 39.園子(仮称)とたくさん笑う

 

 これは、きっと叶ったね。

 

おセンチです。

 

 ・・・・・・あ、そうです。

新年、私は「目標」に「更新する」という言葉を書くことを約束します。

そして、その目標を忘れるよう、精一杯努力しようと思います。

 

 みなさまに訪れる新年が、たくさん笑うことのできる一年になりますように。

 

ホット夫