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日々「祈るしか手がないのだ」

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日々

きのうは魚の話をしましたよね
これが息子Kの絵。漁師の末裔の(そんなおおげさなもんかい)絵です。
わたしは子供の絵を集めてきて その子らが大人になって 漁師とは全然違う環境で育って
ある子は ロボットの絵を描き ある子は 髪の長い女の子を描き ある子はマイクで歌ってる絵
それもしばらくの間はこだわっています。
Kは魚にこだわっていた こんどはそれはどーしてかなあと 考えてみるのはわたしのたのしみ
それは先祖をたどってみる たのしみ  そんなことないのかもしれないけど


午前三時五十分の小さな死

 朝目を覚ますと、まずキッチンに行ってやかんに水を入れ、電気ヒーターのスイッチをオンにする。コーヒーを作るためだ。そして湯が沸くのを待ちながら僕はこう祈る。「お願いだから、僕をもう少し生かしておいてください。僕にはもう少し時間が必要なのです」と。でもーそうなのだー僕はいったい誰にむかって
祈ればいいのだろう?神に向って祈るには、僕はこれまでの人生においてあまりにも身勝手に振る舞ってきた。運命に向って祈るには、僕は余りにも自らを頼りすぎていた。まあいいさ。誰に祈っているにせよ、ずっと祈っていればその家にどこかの誰かにうまく通じるかもしれない。いつかどこかの宇宙人にキャッチされることを期待して、山の上からいろんな方向に手当たり次第にメッセージの電波を送り続けている化学者みたいに。いずれにせよ僕としては、祈るしか手がないのだ。この不確かで暴力的で不完全な世界に生息する我々のまわりには、実にいろんな形状の死が満ち満ちているのだから。冷静に考えてみれば、これまで無事に生き延びて来られたことの方が不思議なくらい。





《 2021.09.28 Tue  _  読書の時間 》