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日々 「彼らの目」

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日々

朝は寒くて 昼間は適度に暖かい いいひよりですねえ。長袖を着て 昼間暖かくなると半袖に着がえたりしてね。

さて
今日は村上春樹さんの「遠い太鼓」

悪意がないことはわかるからそれほど腹はたたないけれど、それにしてもうるさくて煩わしい。『ロッキー』のテーマを合唱する奴らまでいる。日本の高校生はそういう馬鹿なことはまずしない。僕は日本の中高校生を見るたびに、受験やら規則やら部活やらヒステリックな教師やらにぎゅうぎゅう締め付けられて気の毒だと思うし、出来ることならそんな消耗的状況から解放してあげたいと思っている人間だが、そんな僕でさえイタリアのガキを見ていると首根っこを摑んで「おまえらいつまでもくだらないことをやってないで、ちやんと学校に行って勉強してろ。ちょっとは世の中のことも考えろ」と言いたくなってくる。
 しかしこんなやつらにいちいち関わり合うのも情けなく馬鹿馬鹿しいから、聞こえないふりをしてさっさと前を走り過ぎる。
 ローマというのははっきり言って巨大な田舎町みたいなところである。都市としての情報量をとってみれば、ニューヨークや東京にくらべて(いやミラノにくらべても)圧倒的に小さいし、遅れている。でもその分ローマの子供たちはいきいきして、生気に溢れているように感じられる。がらの悪いガキにはしばしば苛々させはられはするけれど(二、三人絞め殺してやろうかと思うことだってある)、それでも彼らの目は、竹下通りを歩いている子供たちの平均的な目に比べると動きが敏捷で輝きがあるように僕には感じられる。映画に例えるとカット割りがさっさと速くて的確なのだ。何かを一生懸命見ているという感じがある。
それに比べると東京の平均的子供たちの目は「だからあ、それでええ」式にもったりしているか,あるいはもっと神経症的にーリモコンでテレビのチャンネルをばたばた切り換えるみたいにーせわしないかのどちらかであるようだ。


若者たち 村上さんがみてきたローマの中高校生たち そうなんですねえ。あの悪ガキたちには 自殺とか少ないのかもと思ったりしますが。
《 2021.09.14 Tue  _  読書の時間 》