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日々 「まかないのおばさんのこと」

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日々

半袖をしまい 長袖にしました。こんなにはやく衣替えしてましたかねえ。
衣替えしていて思うことは 夏の間 レッグウオーマーでしたっけ をさがしていたんです 半袖でも出かける時に正に必要アイテムだったわけで それのありかをさがしていたのです。それが二階の物置でみつかるとは。もうおそいというわけなんですが うれしくてながそでのしたにやっています。
いつも思うんですが 探し物は意外な所で 忘れかけた時に見つかりますね。

さて
村上さんでしたね 「遠い太鼓」

 第二次大戦の激戦地マルタに旅行したときもマルタの口から同じような話を聞いた。マルタは大戦中にイタリアから度々の爆撃を受けたが、マルタ人たちはイタリア人について悪い気持は全くと言って良いほど持っていない。殆ど被害を受けなかったからである。「あのね、イタリア人ってね、食べること、喋ること、女を口説くことを除けば、あまり一生懸命になにかをやるってことないんです」とあるマルタ人が教えてくれた。「マルタを爆撃したときもですね、降下すると高射砲が怖いから、ものすごく上の方からパラパラと爆弾落としてそれでおしまいって帰っちゃうんです。そんなもの当りゃあしません。海に落ちるか、野原に落ちるかです。でも連中はそれでいいんです。爆弾落とせって言われたから落としたわけで、それでおしまいです。だからマルタはムッソリーニがどれだけわめこうがちっとも落ちなかった。それからドイツ空軍が
来た。これはすごかったですね。急降下爆撃機が地面すれすれまで下りてきて、全部叩いた。町は壊滅しました。イタリアってそういう意味ではいい国です。
 僕も本当にそうだと思う。そういう意味ではイタリアっていい国なのだ。そしてそういう国では穂とはあまり無意味には走らないのだ。
 ドイツでは娼婦でさえ毎朝ランニングをしている。なんだか村上龍の『ニューヨーク・シティ・マラソン』みたいな話だけれど 僕は実際にハンブルグでそういう娼婦と話したことがある。彼女は毎朝オルスター湖の周りを走っているのだと言った。僕も同じコースを走っていたので試しにタオムを訊ねてみたのだが、まあちょっとしたタイムであった。すごいねと僕が言うと、彼女は肩をすくめてだって体が資本でしょうと言った。そう、娼婦も小説家も体が資本なのだ、よ。
「君は一人で走ってるの?」と僕は質問してみた。
『当たり前でしょう」と彼女は言った。
 おい、イタリア人聞いたか?ドイツでは娼婦でさえ毎日走っているのだぞ、それも一人で。

いい話ですね。観光でイタリアに行った時 スリに気をつけろとか そんなことを聞かされてもいたので
イタリア人の良さを見つける暇がなかったのですが あるとき日本人も働いている(修業)チェイザレさんの宿泊つきレストランに行った。そこにはまかないのおばさんがいて とても親しみ深いので彼女の似顔絵を とびきり若く美人に描いて残していった。そしたらそのことをとてもよろこんでくれて 帰りの車をずっと追っかけて別れをおしんでくれた。そのことに気づいたのは わたしだけだったのである。まわりの人は知らずに車でさっさと行ってしまった。わたしはそのことをあとで言おうと思ったのだけど まちがってたら急いでいることだし悪いとおもって黙っていた。信じてもらえないだろうな。後にイタリアの山間部の人たちが戦時中 苦しい生活を強いられていたことを知るたびに 思い出す。

 
《 2021.09.08 Wed  _  読書の時間 》