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日々 「映画館の話だけど」

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日々

これでもかこれでもかと雨が降り続く中 村上春樹さんの「やがて哀しき外国語」と「遠い太鼓」を読んでいます。「やがて哀しき外国語」はこのパソコンの所で 「遠い太鼓」は布団の上で。
この2冊の本の共通項は相手が外国だということです。わたしの記憶に間違いがなかったらムラカミ夫妻は40になって(ハルキさんの年だと思います)日本を出て 外国でそれはいろんな場所だけど 住んでみようと思い立ったようです。そういう気持になったのだから 何年か外国の地で観光だけではなく住むわけだから いろいろ日本でのことをやっておかなきゃならないのでしょうが。 ここに(日本)ずっといたらあかんという 勢いみたいなものがあったから こういうことができたんでしょうね。40という年齢はとおくにいってしまいましたが このような年齢は 何か思い立つのかもしれませんね。
で ギリシャ ここで 古い映画館で ブルー・スリーとかの映画を2人で見に行くんですよね。ところがそこで もぎりのばあさんは 村上さんが「これ ブルースリーの映画ですよね」とねんをおすと ちがうみたいな動作と声を出すんです。それじゃあこまるというので わいわい言い合っていると 奥からオトコが出て来てにこにこしながら「ブルー・スリーの映画にまちがいありませんよ」てなことを言う。まそれでお金をやっと払って中に入る。ところがムラカミ夫妻は映画館のまん中辺りにこしかけるんだけど まえのほうで 何人かのわるがきふうなのが わいわいとブルー・スリーーのまごととか 奇声を上げている。たまらんくらいのうるささ。そこに例のおじさんが奥から出て来て「てめえらうるさいんじゃあ」とか何とかいって静かにさせる。しばらくはおさまっているんだけど またはじまる。そのうえ今度はうしろのほうにこしかけている大人たちが 地元の連中らしく「やあ」とか「げんきかい」と暗い中おおごえではなしている。ほかの観客も だれもなんともいわない。日本の映画館だったら大変だろうというわけです。
そのうちくろいおおきなねこがスクリーンを横切る。あれはあの大きな動物は何だと2人はおどろく。天井はあいていて星が見えている。雨が降ったらどうするのかしら と2人は言う。
ざっとこんなギリシャの映画館での事を書いている村上さんですが、その内容をうまくしゃべれない私なんですが なぜこういう下手な説明をしているのかと言いますと 2冊の本を行ったり来たりして読んでいるので この映画館の話が どちらの どの辺りににあったのか なかなか出て来ないんです。
ところがこのシーンを読んだ時
村上さんの書くものの魅力は その場所を説明するうまさにあるなあと思ったのです。ま 自分がそういうことがうまくない ということから来てるのかもしれませんが。
このギリシャの映画館のことが むりなくでていると読者に感じさせてくれるころなんです。そう思うとこの作家はなんでもないふつうのところを書いて 結果的に読者は おかしくてわらってしまうというところ。 このまえとはうってかわって私は いいファンになったというわけなんです。
この雨で 老人は特に近くの中学校に避難する というようなことになったら 私達はどうするんだろうと
一方では考えています。


《 2021.08.15 Sun  _  日記(日々) 》