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現代に生きる サマセット・モーム

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『現代(いま)に生きる サマセット・モーム』清水明著 音羽書房鶴見書店 2020年初版発行

さて 清水明さん やっと『月と六ペンス』読みおえましたよ。 3月22日からですから きのうが6月9日ええっと2カ月ちょっとです。
この小説は 私にはとても興味深かったし すぐ自分のことに引き寄せる癖があるので いっしょについて行く本でした。確かに内容は過激で 重ね合わせるには無理があるのでしたが 退屈せずに読み終えることができました。『現代に生きる サマセット・モーム』は『月と六ペンス』を読み終えてから読んでみようと思っていました。

『月と六ペンス』の清水さんの副題は 楽園に魅せられた芸術家像の皮肉 です。

ウイリアム・サマセット・モームがシリー・ウエルカムと1917年に結婚したとき、はた目には、彼には精神の安定が約束されたかにみえた。しかし結婚生活に入って、最初に発表された小説が「月と六ペンス』であることを考えると、この作品に内在するアイロニーそのものにわれわれの目は向いてしまう。主人公チャールズ・ストリックランドが物語の前半で、妻子を棄てて出奔するのは、自己の芸術の追求の上で家族、とりわけ、妻の存在がうとましいものであったから、ということが徐々に明らかにされているからである。
 前作『人間の絆』に対する一つの書評で、「多くの青年たちと同様に、彼(フイリップ・ケアリ)も月に憧れることに忙しく、足もとに落ちている六ペンスに気付かなかった」といわれたため、モームは新作の表題にそれを利用した。


ここでも私は少しずつ 『現代に生きる サマセット・モーム』を読んでみようと思いました。少しずつ読んで やっとわかるために 私の工夫なんです。
『人間の絆』を書いた時は 結婚したことをよしとしていたからなんでしょうね。ところが『月と六ペンス』の時には 結婚生活もちょっとと なってきている。 やっぱ 出るもんなんですかね。 絶望とアイロニーとはどうちがうのかななどと 私は考えながら この『月と六ペンス』毎日書き慣れたタイトルでしたけれども この小説とどういう関係があるのかなと いつも思っていたんです。それは『人間の絆』という前の小説の書評からなんですね。でも内容も違う小説なのに だけどとても魅かれるタイトルですね。
タイトルの出所と意味がここでわかったのは うれしかったです。

《 2021.06.10 Thu  _  読書の時間 》