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モームさん

スキャン4847.jpeg『月と六ペンス』

結婚してからの三年間がストリックランドの一生のうちで最も幸福な時だったろう。。
アタの家は島を一めぐりりしている道路からやく八キロ離れたところにある。そこへ行くには、熱帯性植物にうっそうと覆われた曲がりくねった小径を辿らなくてはならない。家は白木造りのバンガローで、小部屋が二つある。外に小さな小屋があり、そこを台所にしている。家具といったらベッド代りに使っているマットと、揺り椅子が一つ、これはヴェランダに置いてある。あたかも逆境にある王妃のぼろ服のような、大きな破れた葉を持つバナナの木は家のすぐ近くに伸びている。すぐ後にはアボガドの木があり、周囲をココ椰子の木がぐるりと取り囲み、これがこの土地の収入源となっている。アタの父親は土地のぐるりにはずの木を植えた。これが今では目もあやな極彩色に繁茂して、あたかも土地に炎の柵をめぐらしたようだ。。家の前にはマンゴー、開拓地の隅には二本の双生のほうおうの木がその真赤な花でコロ椰子の金色に挑戦している。
(この 二人の家の様子 いいなあ)(作者の状況設定いつも思うんですけど うまいなあと)(こういうところを読むのがたのしみなんです)(ここからも とても面白いんです読んでみて下さい) 

「そうです私はストリックランドをよく知っています」ブルノ船長はストリックランドのチェス仲間だった。彼が二人の住んでいるところに行った時の感想はこうです。
「ストリックランドの住んでいた場所にはエデンの園のような美しさがありました」「全世界からぽつんとかけ離れた一つの隅っこ、頭上には青空があり、豊かな木々がうっそうと茂っている。ふんだんな色彩の共演でした。ヨーロッパ人の目から見れば、呆れるほどきたないかもしれません。家は荒れ果てているし、決して清潔とはいえませんし。近づくと、ヴェランダに三、四人の土人が横たわっているのが見えました。御存知のように土人達はかたまるのが好きでしてね。若い男は体をのばして横たわり、タバコをすっていました。パレオしか着ていません」
「十五くらいの女の子はたこの木の葉を編んで帽子を作っていました。老婆は尻を落して座りパイプをくゆらしていました。その時アタもいるのに気がつきました。アタは生まれたばかりの子に乳をやっていました。もう一人の子供はすっ裸でアタの足もとで遊んでいました。アタは私を見ると、声をあげてストリックランドを呼びました。するとあの人は戸口へ出て来ました。あの人もやはりパレオしか身につけていません。赤い髭にもじゃもじゃの髪、それに大きな毛深い胸をしているあの人の姿は異様なものでした。足は固くなって傷あとがありましたから、いつも裸足でいるのだなとわかりました。すっかり土人になりきっていました。あの人は私を見てうれしそうでした。アタに夕めしには雛鳥を殺せと命じていました。私が来たときにちょうど描いていた絵を見せるために、私を家の中に案内しました。部屋の片隅にベッドがあり、中央に画架があって、カンヴァスがその上にのっていました。私はあの人が気の毒だったのでそれまでにも、絵を二枚安く買って、その他の絵はフランスの友人に送ってやったこともあります。買う時には同情から買ったのですが、しばらくその絵と一緒に暮すうちに、好きになって来ましてね。まったくのところ、それらの絵に何か不思議な美しさを感じました。誰もが私のことを狂気の沙汰だと思っていましたが、結局私が正しかったことになりました。こkらの島では私が彼の崇拝者の草分けです」
ブルノ船長は意地悪な微笑をチアレに向けた。チアレはストリックランドの家財が売りに出た時、絵を買わずに、二十五フラン出してアメリカのストーヴを買ったことを、又しても悲観した。
「その絵をまだ持ってらっしゃいますか?」と私がきいた。
「ええ。娘が年頃になるまで持っているつもりです。それから売ります。娘の持参金にしようと思いましてね」
(とうとうだいぶ長く一緒に歩いてしまいましたよ。いいですねえ)(なんせ その時の気分で四予定より読み進んだりして そこは )
《 2021.05.30 Sun  _  読書の時間 》