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モームさん

スキャン4825.jpeg『月と六ペンス』

しかし 今日の167ページはおれまがっていますよ、私はこの本にもてあそばれている
そして この緑がかった色は春の若葉

ストルーヴの奥様、
ダークに変りまして次のことをお伝え致します。いつでもダークに御用のおありの時は、お力添えさせていただければ幸いとのことです。彼は今度のことであなたを悪くなど思っておりません。あなたへの愛は少しも変りません。ダークに御用の説は先の住所へおいでいただければ、いつでもおります。

『私」にこんな広告代理店のような代筆をたのんだダーク・ストローヴですが

「あれが自殺した」
「なんだって?」私はぎょっとして叫んだ。
ブラーンシュが自殺を図って病院に運ばれたというのです
そのしらせを管理人から受けた(そうするようにダークはたのんでいた)ダークは「私」といっしょに病院に駆けつけた。こういう男女のもつれでは女はよくこういうことをするらしい、それもうまいこと死なないくらい迄のことを。医者は だから落着いたものである。ブラーンシュはそんな時にもダークを病室に入れようとはしなかった。
「昨夜、二人は喧嘩したんだ。あいつは出て行ってしまった」
「どのくらい毒を飲んだかわかりませんしね。案外ちょっと肝をつぶしたくらいですんでしまうかもしれませんよ。女性は恋愛のために自殺を図ることは始終ですが、大概は成功しないようにうまくやっていますよ。大概は愛人に同情か恐怖を起こさせようとする一つのジェスチャーですからね」

(そうなんだ、よくあることなんですね、ふむ)

* 166ページから169ページ迄が今日の仕事なんですが つい次のページも読みたくなりました。
ま、それほど気になる小説ということですかね。172ページまでいきましたよ。本を読むってことは
こういうときも来るってことなんですかね。
ほんに ダーク・ストルーヴが出て来る限り これはつい笑ってしまいます。お笑い、好きです、はい。



《 2021.05.08 Sat  _  読書の時間 》