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モームさん

スキャン4810.jpeg「月と六ペンス』

はるなのに 今日も朝は寒いです、お客さんとこはどーです?
さて今回は前のページを半ページ打ちますね。こういうこともあるんです、はい。

13
 私はわりとしげしげとストリックランドに会った。そして時々二人で西洋将棋をした。彼はお天気屋だった。口もきかず、ぼんやりと、他人などには目もくれずに座っている時があるかと思えば、上機嫌で、独特のためらいがちなしゃべり方で話す時もある。気のきいたことは言ったためしがないが、残酷な皮肉の味を持っていて、かなりの効果をあげていた。しかも彼は心中で思っていることをずばりと言ってのける。
他人の感情など何とも思っていない。相手を傷つけては面白がっていた。彼はたえずダーク・ストルーヴを怒らせるので、ダークは、二度と口を利くものかと言って飛出す。ところがストリックランドにはこのデブのオランダ人をわれにもあらずひきつける根強い力があって、ダークはとんまな犬のように尻尾を振り振り
戻って来る、挨拶がわりに、あのこわい毒舌の一撃をもらうだけだと百も承知していながら。
 ストリックランドが何故私などに我慢して付合っているのか、わからない。私達の関係は奇妙なものだった。
 ある日、彼は五十フラン貸してくれと私に言った。
「とんでもないこった」と私は答えた。
「何故?」
「面白くもないからね」
「おそろしく困っているんだぜ」
「知ったことかい」
「おれが餓死しても平気なのか?」
「何故気にしなくちゃならんのかね?」
 一、二分の間、彼はもじゃもじゃの髭を引っぱりながら私を見つめていた。私は彼の顔を見て笑った。

ストリックランドと彼とダーク・ストルーヴとの関係は なかなか面白いですね。
彼はストリックランドに五十フランを貸してほしいと言います。かれは「とんでもないこった」とことわります。「おれが餓死しても平気なのか?」と彼に言います。「知ったことか」です。このパターンはこの前もありましたね。それでも気分を変えて チェスに興じます。
「君も心の中ではセンチメンタルなんだとわかってがっかりしたよ。あんなに素直に僕の同情をそそるようなことを言わない方がずっと君らしくていいな」
「君があの手にのったらおれは軽蔑しただろうよ」
「それなら話せる」
チェスをする中で彼がこう言います。
「ねえ、君が困っているというんなら、僕に君の絵を見せろよ。気に入ったのがあれば買うから」

ストリックランドはまだ彼に絵を見せていなかったんですね。こういう人は 絵を見せる迄 時間がかかるんですね。ダーク・ストルーヴがほめちぎる絵とそれを見たい彼。この話はうまく廻っているというか、
さすが。何しろこれらの会話はひきつけますね。

一年に一度くらい 洗濯機が 工合がわるくなります。なんとかして立ち直らせてみようと原因を探るのですが けっきょく村の電気屋さんに来てもらいます。三代目の(?)息子さん、元気そうです。
ごっそりあかが、ごみが出て来ました。これで解決かなと思いきや また「まーだだよー」とえらーが。
小鳥の生命力と人間の生命力どっちがあるのかな、それとも同じなのかな? 忍耐力は?nふっとそんな思いがよぎります。




《 2021.04.21 Wed  _  読書の時間 》