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モームさん

スキャン4773.jpeg『月と六ペンス』

 あのような急な内証事を胸にひめて、ほがらかに、さりげなく振舞い、しかも、子供達を気持ちよく学校へ出すためにぜひしなくてはならないすべてのことに、あれこれと目をくばってやるのは、なかなか容易なことではなかったにちがいない。ストリックランド夫人は又涙声になった。
「あの子達はこれからどうなるのでしょy、かわいそうに。私達はどうやって行きて行くのでしょう?」
 夫人は一生懸命に自分をおさえようとして、両手をけいれんのように握りしめたりほぐしたりしていた。実に痛ましかった。
「勿論パリへ行きますよ、私でも何かお役に立津とお考えになるのなら。それには、私にどうしてほしいのか、はっきりおっしゃって下さらなくてはいけません」
「あの人に帰っきてほしいのです」
「マックアンドルー大佐のお話では、離婚を決意されたように伺っていましたが」
「決して離婚はいたしません」と夫人は急にはげしい口調で答えた。「そのことをあの人に伝えて下さい。あの女と結婚することは絶対に出来ません。私もあの人と同様に、あとには引きません。決して離婚はいたしません。子供のことを考えてやらねばなりませんもの」
 夫人がこう付け加えたのは、自分の態度の言い訳けをするつもりだったのだろうが、私には、夫人のとった態度が母親としての心づかいからというよりもむしろごく自然な嫉妬心からだと思われた。
「今でも御主人を愛していらっしゃるんですか?」
「わかりませんわ。でも帰って来てほしいんです。もし帰って来てくれるなら、過去のことはすっかり水に流すつもりです。何と言っても、十七年も一緒に暮らした仲ですもの。私は心の寛い女です。私が何も知らない限り、あの人がなにをしようとかまわなかったんですのに。あの人だって今は女に夢中になっていますけれど、続きっこないってことを悟らなくちゃなりまっせんわ。今帰ってくれれば、何もかもうまく納まります、そして誰にも気づかれずにすみますわ」

「十七年も一緒に暮らした仲ですもの 決して離婚はいたしません 自然な嫉妬心 続きっこない
そして 今自分のもとに帰ってくれば 何もかもうまく納まります そして誰にも気ずかれずにすみますわ」
いろんな言葉が 出て来ます
まだ夫がどういうふうかわかないのに 
しかし妄想はふくらむもの 
これはゴーギャンのこととしてみますと そうだったんですね やはり夫人にはいろんな葛藤があったんですね と言いたくなりますが これは小説で 話の内容は 今も生きるものです

これは双子? まるでつくりもの
おまけ に忘れっぽい自分は これをどこでとったのかさえも 覚えていないのです

《 2021.03.10 Wed  _  読書の時間 》