who am ?I

PAGE TOP

  • 02
  • 22

モームさん

スキャン4757.jpeg『月と六ペンス』

思ったより大きい男だった。どうして、彼のことをほっそりとして容貌のはえない男だと想像していたのだろう。実のところは、幅広く、どっしりして、手足は大きく、夜会服の着こなしはぎこちなかった。馭者が正装するとかくもあろう、とちょっとそんな風に思わせる所がある。彼は四十歳で、美男ではないが、さりとて醜男でもない。目鼻立ちは整っている方だった。しかし、一つ一つがどれも並より幾分大きいため、不様な効果をもたらしていた。髭はすっかりそ剃り落としているので、その大きな顔は気味悪いほどむき出しの感じがした。髪は赤みを帯び、ごく短かく刈っていた。目は小さく、青か灰色だった。平凡な男である。
ストリックランド夫人が彼のことをいささか恥じているのも無理はないと思った。芸術や文学の世界に位置を占めたいと思っている婦人にとって、とうてい名誉にはならない夫だった。どうみても社交的な才能は皆無だ。しかしそんなものはなくても男は結構やってゆける。凡人の域を脱するだけの風変わりな癖すらない。
ただ善良な、退屈な、正直な、平凡な男である。彼のすぐれた性質をほめるものはあっても、付合いはごめんというところだ。つまりとるに足らぬ人間なのだ。おそらく社会の一員としては立派であり、善良な夫であり父であり、正直な株屋なのだろうが、しかしだからといって、何も彼にかかずらって時間を浪費することはあるまい。

一人の男を これだけ観察してストリックランドのすべてと言い切るー すぐにでも彼の映画の配役は決まりそうですね。 主人公は言ってくれましたねえ。一人一人の人物をこんなに描くというのは 作家は もしかしていまでも昔でもそういうものなんでしたっけ?
いや 自分が読んだ数少ない長編小説『風と共に去りぬ』にしても『モンテクリスト伯』にしてもそこの登場する人物をしっかり想像できるような 描き方だったように思います。そしてそれは夢中になって読んだということの一要因だったのかもと 今になって思います。
お客さんはどー?
このストリックランドという男は それでいいのか まずいのか  

一部分がみえている ちょうど絵の上に白い枠が舞い降りて来たとき それを毎日観ていて おもいました。 今日の作品です 

《 2021.02.22 Mon  _  読書の時間 》