NEKO美術館 成瀬憲子

いまごろ　ふとんのなかでゆっくりしています　規制をちょっと緩めた感じですかね

若い頃は　朝早く起きる事がいやでした　それでも母に起こされたりで　なかなか一日中寝ている事が出来るのは　かぜをひいたときぐらいだったでしょうか　

学校に通う事　大きな規制でしたね　仕事に行くこと　規制でしたね

こうして　７１になって

いまごろは　４時とか　６時とか　目が覚めますが　またふとんにはいります

かんがえてみれば　こうやって人生の中で　じゆうきままにねてみることもなく　すぎていくのでしょうか

病気で　ベッドに寝ている患者さんにとっても　はい　熱を計りましょう　食事の時間ですとどこかで

規制がかかります　

そして　じぶんのなかにも規制が　おかしなものですね

金子由香里という人が　こんなシャンソンを歌っています

「眠っている間に　夢見ている間に　時は流れ　過ぎてゆく

あなたの愛に　溺れているうちに　時ははかなく　過ぎてゆく

お前は可愛い　あの言葉も　あなたさえも　今は遠い夢

眠っている間に　唱っている間に　自由な時は　行ってしまった

戦いの中　傷つきながら　時は時は　今も過ぎてゆく」

打っていて　ちょっと今しがた書いたこととは　ちがうわと　頭をかく私ですが

今回の画面は　白い布の切れはし　しわだらけなんですが　

そのままをいかすように　おいてみました

このぱらぱらちらばっているのは　シール　うらに「しらんけど」とか

おもいつくことばを　書いています　小さくて暗いから見えにくいですね

眠っている人も描きました　見えますか

「人生のものさし」はずっと前から　こことかあそことかに置き忘れられています

でも　ふっと目に入るんです