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はちがいなくなって

ハチの話の続きです
はちがぶんぶん飛ばなくなったので 自分は おそるおそるですが 巣の前を通るようになりました
前のように網のついた帽子をかぶるわけでもなく どんな巣なんだろうと のぞいてみたりして
そして ハチは いったい何匹だったのだろうとか おもいながら ハチは ここらあたりで
死んでいるのかも知れないと 探してみました
そうしたら 見つかったのです ハチが飛ぶ姿を見なくなってから どのぐらいですかね
体をまるめたそのすがたは おもったより小さく おおきなきけんなハチだと思い込んでいるのは
わたしのほうだったのでしょうか 巣も よくある 壁にどろをぬったような巣で 
わたしは このての巣を作るハチは 大きくもなく 大したことはないと思い込んでいたのです
しかし ながいお付き合いでした 今回は
殺虫剤をまいたときは 怒ったそのハチが 夏の網戸をその針で刺して 侵入して来るんじゃないかと 
おそれました なんせ部屋のすぐそばですからね
また そういうことがあっても 必ずその巣の所に通うハチたちは 何匹いるのだろうと
おもいましたよ だって何匹もいるから かわりをするのがいるのだろう ということで
わたしはこわがりつつも そんなハチを 尊敬していたのです
死体を見つけたとき もう動く事もない恐れる事もない相手を前に じっと見つめている私でした
このあと もう一匹のハチの死体を見つけたとき 「そうか最初にみつけたのがめすのハチで
これはおすだ」とおもったのです
先に見つけたのは 目が空洞になっていたから 先に死んだのかもしれませんね
あとで見つけたのは 目がありました 仮面ライダーのような目でした
自分は こうした死に出会うと なんか特別な気持ちになるのです
みておかなくてはならない そんな気持ちにもなります
この2匹のハチが 毎日の仕事を もくもくとこなしていたのかとおもうと 心が動きます 
その仕事が終わると
こうして しずかに死んでいたのかとおもうと 
こういうのがみごとな自然だと
お客さんそう思いませんか

ペパーミントのカーディガンです
かわばたさんは ミントのといいましたが
こどものころ はっとして きれいとおもった色が ありますが そのひとつです
母は 女の子の私に 手縫いで色々な服を縫ってくれました 戦争も終わり 家にも平和が
やってきたのですね 
兄たちはこんなにつくってもらっていたかなあ もし作っても もうそばにはいなくて
神戸の学校にいってたり いつも母のそばにいた私にくらべて そう作る事が出来なかった
のかもしれませんね
わたしはつくづく幸せものだと思うのは 母の死後 まるでそれを引き継ぐように
かわばたさんは カーディガンや服を作ってくれたのです
それも 母だったらこうするだろうな そんな雰囲気のものです




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《 2020.11.12 Thu  _   》