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母の自伝

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母は 広告の裏に メモしています
テレビは 楽しみの一つだったんでしょうね
これだけでも いつごろのことなのか わかりそうです


姉の事のつづきです
 
姉はいまだに めがねをかけながら針に糸を通しながら色々の布を
うまくとり合わせて 動物や人形を老人の手とは思われぬ立派な製品を
たくさん作って楽しんでいる。何れも見習いことばかりである。(教えてもらってないという事か)
現在姉はたくさんの孫たちに恵まれ 親孝行な子供たちにいたわられ 時々少し離れた息子のところ 娘の所と老後を楽しんでいる
長く生きて私の生活のはげみになってほしい
一年に一度だけ弟の同窓会(松江中学)についていって里まで送ってもらい姉に会うのが楽しみである
里にかえって一挽か二晩 実家の二階で一緒に泊る私は里にくると 神社にまいり 墓まいりをして 終日でも昔話に花をさかせる
姉の知っている事を次ぐから次ぎへたぐり出して つきることがない
あまりどこへも行かず姉の家へ行ってごちそうになる。姉と同居している長男は うちのばあさんは年とともに頭がさえて来ると不満そうに話しているが もしそれがぼけにつながったらたら大変だから 有りがたい事だ
と云ってやる
昔からの頭のさえはおとろえていないと思うと 嬉しくて涙が出そうだ
枕をならべてあれこれと友人の事などきき出して なつがしがっていると
返事をしなくなる ふとみると姉はきもちよくかるくいびきかきながら
きもちよさそうにねむっている
私はもっと話をききたいから上からおしたりよんだりしてもさっぱり駄目
私はなかなかねつかれぬので 義姉とつづきをかたり合うのである
二日ほど泊って弟の車でかえる時 姉はいろいろ海のものをみやげにくれ
からだに気をつけて病気をしないようにと何度もくり返す
私は年老いた姉をみながら また来るまでげんきでいてくれるように祈るのである
姉が亡くなればふるさとへの思い出はなくなるのである
どうかいつまでもげんきで私のふるさとへの希望を失わぬようにしてほしい 時に姉より便りがあると 姉の健在を思い希望がわくのである


この姉さんも亡くなって そのひとり娘のおばさんから 便りをもらったことがあります
なんでも母とお姉さんが一緒に夢に出てきたそうで とても元気だったそうです 遠く離れた兵庫県の田舎に住むことになった母と 島根県の港町の美保関と 姉妹は遠く離れて暮らしていたのですが 弟の一年に一回の同窓会は こうして姉妹の出会いの時となりました
姉さんの話は ここまでですが 母はこの姉さんの元気でいつまでもいてくれることを祈り しかし母は先に行ってしまうのですね
思いでは 生きている人の中に ありつづけます 私は自分の家族の思い出や 父や母や兄弟の思い出を抱えて生きているのですね


《 2020.07.11 Sat  _  思い出 》