NEKO美術館 成瀬憲子

この写真は　どうしてとったのかなあ

欠けた所のある　カップ　これがいいと言った息子がいて

わたしも　どこかこのカップに惹かれていて　そのままとっておいたのですが　このミニ引っ越しで　処分しました

ながいあいだ　そうやってみてきたので　いいか　です

今回　服でも　こういうものでも　長い間　なぜかとっておいたものを

ながいあいだいっしょに置いていたんだから　いいかげんいいかと

処分した物たちがあります

それは写真のなかだけで　のこるというわけです

とうもろこしのことは　食べる途中の姿は　好きなんです

１じゃなくて３ぐらいなところが

あと２、３ありますが　このがらの布のものは　いまは自分の部屋の箱の上に乗っています　突然のように出て来た物だと思っていたのですが　まえからあったのですね

記憶というのは　あいまいなものですね

ものというのは　何年か馴染みのある物もあれば　とうもろこしのように

食べてしまえば　消えてしまう物もありますね

かって　いっしょに記念撮影した　これらのものたち

たいがいのものは思い出せるのですが　思い出せない物もあります

一枚の写真の中に　こんなことばがあるのです