NEKO美術館 成瀬憲子

あつくなってきましたよ

お客さんの所はどうですか

寒いのも　いやですが　暑いのも　だるくなりますね

これからは　頭の中に　けっこうせみがないてはいますが（？）

外の木でも　なきますね

あぶらぜみ　つのぜみ　みんみん　かなかな　ひぐらし　

せみは　すきです　みみなりといっている音も　これは　かなわんでえ

という人もいますが　せみのなきごえみみなり　だと　ゆるせるなあ

きょうは　ミニ引っ越しで　いっぱいになった部屋で　もうすこし

掃除をして　取り敢えずの所だけど　いやすくしようと　やっています

物の中から顔を出すというのと　ちょっとましなところにいるのとは

気分がまた違います

やがて　リホームが終わって　物の山が　さらに移動して　減ると思うと

うれしいものです

あっちにおいたり　こっちにおいたり

　

ここでは　数年前に亡くなった　親友といっしょに撮った写真を

スタンドの前に置いています　他人の家の中のことを説明しても

なんのこっちゃらでしょうが　いいかげんにきいてくださいね

その親友と　亡くなってから　少しずつ　手紙じゃなくて　気持ちで

話すようにしているんです　二人はお互いの結婚以来　文通を長い間していたのです　相手のこと子どものこと　彼女は　きれいな字で　書いてきて　わたしは　それに返事を書く　そんな感じでした

舅さんの世話も大変でした　そのたびに　心に工夫をして　わたしは

彼女のそういう所がすごいなあと　感心していました

彼女は　つらいことを　書く事で　整理しているような所があって

私は　その整理が　彼女のようにうまく整理はできず　子供のころから

そんな二人でした

彼女が亡くなって　文通はおわりました

それで　すべてが終わるかと言うと　亡くなってしばらくは　ちょっとお互い遠慮がちだったものの　こんどは　わたしのほうが　彼女に積極的に

話かけはじめています

相談もします　もっと仲良くなったような気がします

手紙の仲と　こうした仲はちょっとちがいますね　

わたしは　文のうえに　物を置くのも好きです

なんて書いてあるんだろう　そう思われるかもしれませんが

せみと直接は関係ありませんが　なんか　にぎわってるようでね

文字は模様のようなものです