NEKO美術館 成瀬憲子

つづき

　　　　　2

その快さが消えはしないかと恐れたり　あるいは快さが増すことを　望んだりする。

人々は愛する人を見つけることについて　何年も夢見るが　見つけた時に　満足

することは稀だ。相手が離れていきはしないか不安になる人もいれば　たいしたことのない相手でよしとしてしまったと感じ　もっとよい人を見つけられたのではないかと　悔やむ人もいる。　周知の通り　不安を感じながら悔やんでいる人さえいる。

　偉大な神々は雨を降らせてくれるし　社会的機関は正義や医療を提供してくれるし

幸運な偶然で大金持ちになる人もいるが　そのどれにも　私たちの基本的精神パターン

を変えることはできない。

＊

「そのどれにも　私たちの基本的精神パターンを変えることはできない」

？　

これはゴーダマ　シッダールタのおっしゃったことでしたよね

渇愛はつねに不満を伴うというのが

われわれは　長い歴史の中で　こうして教えられてきたことが

考え方の元になってるのかもしれませんね

そんな不満を伴わなくても　ものごとは　リラックスして

いけるんですよ　うまくいくようになっているんですよ　

そういう精神を持つ人は　この基本的パターンに　どう対応するんでしょうね

コロナという　危険なウイルスが発生して　神も仏もあるもんかいな

こんなとき　精神的パターンだとか　宗教だとか　ゆらぎますよね

肉体をもつ現世だからこそ　おおさわぎになるのですね

精神が肉体を体現しているとしたら　などと　しかし　おなかがすくというのは

肉体ですよね　なにをいっとるんじゃ　ほんま