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おもいでのうた
「うちの父ちゃんはサラリーマン 満員電車がわが人生
足もふまれりゃ 頭もさげて あいそ笑いの 五十年」
ひとこともまちがえずに この歌をうたっているのは
三歳をすぎたばかりの 男の子です
母親の私は おどろきました....
こんなちびが うたってこましてるのですから
男の子は この歌を 小さな口を精一杯大きく開けて
けっこう健康的にうたいます
あとにつづいて私も歌ってみます
上手にうたえないので
男の子は すねてしまいました
何度も聞いていると 人生の悲哀がにじみでているようで
なかなかなのです
私は もう少し大きかったと思いますが
松尾和子の いろっぽい歌を あれはなんだったのかなあ
最後に 君を愛す〜 とくるのですが
最初のうちは これはうたうとやばいなあと遠慮していたのですが
親も何も言わないので
だんだん調子に乗って うたっていました
いきのくろべえみこしのまあちに〜
これも 聞こえたとおりに うたっていました
そばで聞いていた 兄が がははとわらって
もういっかいうたって となんどもうたわせました
うちの父ちゃんはサラリーマン〜
私は この姿を いまは男の子もいい大人になって
思い出せるかなあ どのこだったかが さて
それより つげ義春の描く男の子が出てきました
《 2019.10.23 Wed _ 思い出 》