一番目の秋は
おもに そよかぜ
ちょっとだけ そう ちょっとだけだけど 秋のにおいをつけている
鼻のいい人にだけ わかることだけどね
わたしは 鼻のいい人じゃないから 耳といっしょに かいでみてる
二番目の秋は
葉っぱたちに 特徴があって あの生地のコートは
どこに行っても買えないよ
ほんの一部分だけだと いけるかも
似合うかどうかは わからないなあ 目が大きくてまゆげがこい
そんな生き物に 似合うんじゃない? 人間だっていいよ
三番目の秋は
オドオドしてる
さむいのに旅じたく 風は待ってくれないしさ
トランクだって持てないしさ
コートだって色あせててさ