元の服は ネルの 妊婦用の冬用 やすもんといってしまいたくなるようなもの
この話をする時 身分とか 民主主義だとか そんな言葉が出て来るので
つい この話の入口は つまずく やすものと大島の差別
自分はこのやすものを土台にして上等な服に変身させてやろうと思った訳で
それには 和服の大島など どうだろうと 家にあった大島の切れ端を
一枚ずつこの土台に載せて縫いはじめた
せいぜい 一回につき3枚がやっと
それでも わたしは 何日もかけて
こういうことを続けるのが 何日かすると楽しみになって来る
日記を続けたりしてたから こういうときは できるのかもしれない
3日ぼうずのところもあるから まあ いろいろだ
冬 コタツで ビデオを見ながらやるというのが日課になっていた
そのうち大島のよろいのようになってきた
ようやく 大島で おおいつくされた だいたいだけど
それを着て 外出するのは はじめのうちは勇気がいる
年齢は六十
ところが この服を 「いいねえ」と言ってくれる人がいた
はっとした
それから これはとても 感じいい服になった
今 わたしは七十
このはなし 何回かしているよね
台風 テレビで気象庁の人が 数十年ぶりかのすごい台風ですから
命を守るように 気をつけてくださいと 何度もくり返す
そのたびに リュックに入れるものが増えていく
久しぶりに 雨戸も出す とぶくろから出すのを 暗い中 外と内とでがんばる
すべての箇所に雨戸はついてはいない
どうしてだろう
鋳物のそとで腰掛けるテーブルと椅子を 家にいれる
どうしてかって 強風に煽られて 窓ガラスに当るとわれるかもしれないから
ごみをいれるポリバケツの大きいのも入れる
これは すでにごみがはいっているので とんでいったら こまるからだ
りゅっくはほっかいろなどで ふえる
ごはんははやくたべてシャワーになんぞはいっておこう
あの夫と息子とわたしでやりました
何か一人でやったみたいなこと書くと
そして明くる日窓から青空が見えました
台風のまえの静けさ? 台風の後の静けさ?
雨戸は おひさまでかわかしたあと ごろごろとさせながらしまうことにしよう