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こころ 夏目漱石

『こころ』を読み終えて

この小説について まだ書きたかったン?

「私」とともだちのK 
間借りしている家の お嬢さんに ひごろから気になっていた「私」は
Kがお嬢さんと二人で部屋にいっしょにいることがあることがわかると 「私」はあせります
「私」は自分もお嬢さんに思いを寄せていることを 言い出せずにいたんですね
わたしはせっかく 2ページずつ この小説を読み進んでいったのに
Kが「私」にお嬢さんが好きなんだと はっきり言ったんだっけと
あやふやになるのです
この小説は「私」からの話ですから Kがどういうふうに思っていたのか
Kは「私」におまえもお嬢さんが好きなのかと たずねたのか 
よくある恋愛小説のようにはっきりしていれば この話はなぐりあいがあったりして
わかりやすいのですが
「私」は思うだけであったり Kに話しかけても「私」が求めている答えはかえってこないですから どんどん 「私」の思いが進行して行きますね
このタイトルである「こころ」とはあわてて進行している思いと同じ位置にあるんでしょうかね
一人芝居のような進行ぶりです 奥さんに お嬢さんを早く下さい今すぐ みたいな
喜劇のような話になっています よくある話です
Kがそのことを知ってショックを受けたのか それは自らの生き方への失望だったのか 
とうとうKの自殺で Kはおわります
「私」はそれでも ことのなりゆきを話すこともなく お嬢さんとの結婚をしますね
結婚したいことに変わりはないのですね 

結婚してからも Kとのことは黙っている 
しかし Kに悪い事をしたという気持ちは ずっとかかえている
それで 後に 生徒である若者にそのことを遺書として書いて告白する
「私」が若い時に 叔父にだまされたこと Kとのこと
こういう「私」におこったできごとが 人に知ってもらうことは 何か役に立つかも知れないと書いている
「私」は「先生と遺書」とあるように この遺書を書いて 命を絶っておわっている

ひとそれぞれの考えは ありますが この小説は 大事なことを 黙って話せない
理不尽なことにあっても ことを荒げたくない人のことじゃないのかと
話を尽くしてことにあたるではなく それが もんもんとなやむ 追いつめることになるんですよね このダークなことが この小説の重みなのかなあ
そのわりにはお嬢さんをめぐるなりゆきは 軽いよなあと思ったり だって 自分にだって 周りの人にだって こんなことは ありそうなことです

死を選ぶ 一気に重たくなります

それとはべつに この小説は 解説にありましたように(吉田精一)
ー事実「こころ」はよくできている作品である。きわめて論理整然たる布置がなされ、
あらかじめ執筆の最初から精密な建築設計図のようなものが組み立てられていたか、と疑われるほどである。ー
自分はよくわからないなりに いい文章だと思いました。
それでも 死は その苦しみから 逃れられることなのとか 死してあやまることなのかとか 
せっかく一冊を読んだのだから 考えてみようと思います
 




《 2019.10.12 Sat  _  読書の時間 》