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こころ 夏目漱石

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こころ 先生と遺書 夏目漱石 つづき

同時に私はKの死因をくり返しくり返し考えたのです。その当座は頭がただ恋の一字で
支配されていたせいでありましょうが、私の観察はむしろ簡単でしかも直線的でした。Kはまさしく失恋のために死んだものとすぐきめてしまったのです。しかしだんだんおちついた気分で、同じ現象に向かってみると、そうたやすくは解決がつかないように思われてきました。現実と理想の衝突、ーそれでもまだ不十分でした。私はしまいにKが私のようにたった一人で寂しくってしかたがなくなった結果、急に処決したのではなかろうかと疑いだしました。そうしてまたぞっとしたのです。私もKの歩いた道を、Kと同じようにたどっているのだという予感が、おりおりの風のように私の胸を横ぎりはじめたからです。

妻のお母さんの看病を熱心にしました
なくなると 妻は この世で頼りにするのはたった一人になったと涙ぐみました
「私」は妻を不幸な女だと思いました
妻はなぜだと聞きます
「私」は妻をできるだけ親切に取り扱ってやりました


《 2019.10.08 Tue  _  読書の時間 》