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こころ 夏目漱石

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こころ 先生と遺書 夏目漱石 つづき

きょうは 図書館での「私」と Kとの出会いですね
そのまえに パソコンをチクチクうにうに(吉田戦車の)やっているうちに
おかしくなって 出るべきものが出てこなくなって あせってしまったのです
忙しい東京にいる息子に聞くのも 忙しい北山くんに聞くのも どうきいたらいいのもわからないので そばにいる夫セイに聞いてみました
夫セイも書いているものがあって かたがくりくりしています
そんなあんなですが 夫セイはチクチクうにうにさわっているうちに
ようやく パソコンの 元の所が出て来たというわけなんです
ほんとうに こういうものは「あんたそこんところがこうやれば ああなるんですよ」ぐらいなことをしゃべるなりしてくれればいいものを 

何の話でしたっけ? そうそう図書館でKが小さな声で話しかけて来たんですね 「なあ 彼女とのことなんやけど どうしたらいいと おまえは思う?」(Kが言わないので私が言いました)
そうした恋愛の淵に陥った彼を、どんな目で私がながめるかという質問なんです
「いつもの あつかましいやつとは あきらかにちがう」(「私」が言わないので私が言ってみました)
私がKに向かって、このさいなんで私の批評が必要なのかと尋ねた時、彼はいつもにも似ない悄然とした口調で、自分の弱い人間であるのがじっさい恥ずかしいと言いました
そうして迷っているから自分で自分がわからなくなってしまったので、私に公平な批評を求めるよりほかにしかたがないと言いました。
私はすかさず迷うという意味を聞きただしました。彼は進んでいいか退いていいか、それに迷うのだと説明しました。私はすぐ一歩先へ出ました。


よけいな事言っちまって
《 2019.09.17 Tue  _  読書の時間 》