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こころ 夏目漱石

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こころ 先生と遺書 夏目漱石 つづき

「私」は彼の姿を咀嚼(そしゃく)しながらうろついていたのです
私には第一に彼が解しがたい男のように見えました。どうしてあんな事を突然私に打ち明けたのか、またどうして打ち明けなければいられないほどに、彼の恋がつのってきたのか、そうして平生の彼はどこに吹き飛ばされてしまったのか。

しかもいくら私が歩いても彼を動かすことはとうていできないのだという声がどこかで聞こえるのです。

奥さんは私にどうしたのかと聞きました。私は少し心持ちが悪いと答えました。するとお嬢さんがKに同じ問いをかけました。Kは私のように心持ちが悪いとは答えません。ただ口がききたくないからだと言いました。


考えてみれば こういう話は 何かに書きとめたかたちの方がいいのではないのかと
夏目漱石という小説家は やはりこういう事をまえもって考えながら 文を構成していったんでしょうか 


《 2019.09.13 Fri  _  読書の時間 》