こころ 先生と遺書 夏目漱石 つづき
Kとお嬢さんはいよいよあやしくなってきました
Kは「私」よりはやくかえっていたり 机の前に座っているKをみますが
二人のはなしごえがきこえて来たにも拘らず あたかもkの部屋からのがれ出るように
去るお嬢さんの後姿が ちらりと見えたり Kは心持ちが悪いから休んだのだと答えたりします。
Kの部屋の火鉢には つぎたての火が暖かそうにもえていましたが 「私」の火鉢には
灰が白く残っているだけで、火種さえ尽きているのです
もうこれだけでも はっきりとしているのに
笑いながら お嬢さんにさっきはなぜ逃げたんですと 聞けるようなさばけた男ではありません。それでいて腹の中ではなんだかその事が気にかかるような人間だったのです
お嬢さんは だんだんっ平気になっていきます
こまったなあ