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こころ 夏目漱石

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このページは こういうのも えらそうでなんですが
みんな いちいち 心に入ってきました

「こんなふうにして歩いていると、暑さと疲労とでしぜんからだの調子が
狂ってくるものです。もっとも病気とはちがいます。急にひとのからだの中へ、
自分の霊魂が宿替えをしたような気分になるのです。私は平生のとおりKと口を
ききながら、どこかで平生の心持ちと離れるようになりました。彼に対する
親しみも憎しみも、旅中かぎりという特別な性質を帯びるふうになったのです。つまり二人は暑さのため、潮のため、また歩行のため、在来と異なった新しい関係にはいることが
できたのでしょう。その時の我々はあたかも道づれになった行商のようなものでした。
いくら話をしてもいつもと違って、頭を使う込み入った問題には触れませんでした。


《 2019.08.24 Sat  _  読書の時間 》