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こころ 先生と遺書 夏目漱石 つづき

ー茶の間か、さもなければお嬢さんの部屋で、突然男の声が聞こえるのです。
私はあれは親類なのだろうか、それともただの知り合いなのだろうかとまず考えてみるのです。それから和解男だろうか年輩の人だろうかと思案してみるのです。私は客の帰ったあとで、きっと忘れずにその人の名を聞きました。お嬢さんや奥さんの返事は、また極めて簡単でした。私は物足りない顔を二人に見せながら、物足りるまで追窮する勇気をもっていなかったのです。

ーしかし私はおびき寄せられるのがいやでした。人の手に乗るのは何よりも業腹でした。叔父にだまされた私は、これからさきどんな事があっても、人にはだまされまいと決心したのです。


私は ああでもないこうでもないと 今日はまよう日でした。日常的な事で いろいろと。 そこにこの2ページ。「私」はああでもないこうでもないだろうかと 想像していて 「もうやめてよ」 と文句を言いたくなるのでした。
叔父にだまされた経験で「私」は絶対だまされまいと 他のことでもこうなるのですよね。 ありそうな話ですよね。 物足りるまで追窮する勇気をもっていなかったのです。
そんなときありますね。



《 2019.07.13 Sat  _  読書の時間 》