NEKO美術館 成瀬憲子

そこに布がいっぱいあったから

布いじりしましたね　これがその写真です

「人形作りはむずかしい」まだ小さな子供だった時　中学校の女の先生に

教材を見せてもらって　思いました

父が中学校の校長先生をしていたので　私は日曜日などに自転車のうしろにのせてもらってついていったのです

兄たちは　そういう思い出はないというか　同じ学校で　相手が　校長先生なんてこと

嫌がっていたと思います

私は　小さな子供だったし　ついていくことが　楽しみでした　でべそですよね

今こんなに　出ず嫌いだなんて　あんちでべそっていうんですか？　どうなっちゃったのかなあ

ついていくと　中学生のきれいなおねえちゃんだとか　人形をちょうど作っていた先生だとか　いろんな人たちに会えるんです

その人形は　ねだっていただきました　そんなにしつこかったのは　どうしてかなあ

はずかしいです

中学校で　御飯などを用意するおばちゃんには　寝た振りをして　だっこしてもらったことまで　おぼえてるなあ　そんな演技ができるなんて　ほんとどうしてだろ

そのとき　まぜごはんに　ありがおしよせて　おばちゃんは　こまったようすだったことまで　おぼえているのは　どうしてかなあ

で　人形の話に戻りますけど

私も大人になって　あの難しいと思った人形はあいかわらず　まねはできませんけど

大人になってからも　人形を作ってみたいという気持ちは　のこりました

入口なんです　入口さえかえれば　できるんだな

てるてるぼうず　お客さん　簡単にできるでしょ

それを　そっとはめこめば　このとおり

いったんできると思えるようになると　もうすこし手の込んだ事に移れるんですね

この方法は　私の　思い付いた事をやる上で　とても役に立っています

こうした全盛期には　「不可能はない！」と思っていました

今は　不可能はあると　思っています