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こころ 夏目漱石

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こころ 両親と私 夏目漱石 つづき

「私」は父に関しては 先生と奥さんにこの病の話をきいていたので 田舎に帰ってからも心配していた
母は父がたおれたときは 心配したけれども 父がおきあがって 動き始める頃には野良仕事などがあったりして 父には 案外やりたいようにさせているようだ
そういうふうに 死にも通じるような病を父が持っていても 四六時中そのことで心配するようなことはない そんなものかもしれない
先生や奥さんが言われたことを 母に話してもべつに感動したふうでもない
そして「へえ、やっぱり同じ病気でね。お気の毒だね。いくつでお亡くなりかえ、そのかたは」などと聞いたりする 自分の身の上と 他人のこととがまるで別事のようだ
父も 自分のことはわかってると言いながらも 息子の卒業証書が見られてうれしいと思っている そして大丈夫だと母に言いながらも お前が一人になったらこの家でどうするんだいみたいなことを言う
そして「私」はそんな話を聞くと母が一人とり残された時は どうなるんだろうと想像してみたり引き取った場合は立ち行くだろうかと思う。兄はどうだろうとか
そしてそうなったら また東京に気楽に帰って行けるだろうかと
そんなとき先生の注意ー父の丈夫でいるうちに、分けてもらうものは、分けてもらっておけという注意を、「私」は偶然思い出した

どこにでもおこりそうな 「両親と私」の話だ
そして それはそっくりそのまま 先生と奥さんところの話だ
「私」は母を目の前に置いて、先生の注意ー父の丈夫でいるうちに、分けてもらうものは、分けてもらっておけという注意を、偶然思い出した
ここで 財産の現実的なことが出て来る
まるで この話は 世間一般の家族の仕組みや その後のやり方の 「おさらい帳」のようだ 
父が
《 2019.05.20 Mon  _  読書の時間 》