かぜは 私のことを気に入ったのか なかなか去ろうとはしません
じっと横になっていると 目が合ったのです
そのこは 顔を本のはしにおいて 私のことをじっと見ています
この子がいつからここにいるのかと言うと 忘れるほど前からです
おもちゃなので ころんところがっているときもありますが そうなると
まっすぐにしてやろうなどと 自分は手を出します
本を読もうとすると どかったそのうえにこしかけていたりもします
てのひらにあまるちいさなおもちゃなんですが ちょっとこっちにいってね
なにせ そこにいるだけで そこにいることをやってるという感じですかねえ
生きた人間なら なおさらのことと思うでしょう
そこは やはりちがいますねえ
どうちがうかって? どうちがうんだろー
この子はね 今日が 私に優しいってことなんですよ
ごろんと横になっている私の目と同じ高さで 30センチほどの距離で
私のことをじっと見つめていてくれてるんですから
なかなか 人はそんなことはできませんよ ばあさん相手に