NEKO美術館 成瀬憲子

今日はとてもいい天気です

１９８５年４月２４日（水）の日記にはこういう事が書いてあります

すいよー日

宝探しに行って来た　粗大ゴミの日だったのだ

今日行くところは　自転車で３０分くらいかかるところ

息子のRを背負って行くには　少し遠いかな　不安を感じつつ

以前その場所に行ったことがあるので　「ああやって　こうやって行くと

あそこを曲がる　それからまっすぐ急な坂を上ると....

その道のりを思い浮かべてみると　こんな８カ月の赤ん坊をおんぶして

大丈夫かなあ　でもいい天気だし　とおもったとたんに自転車に跳び乗っている

今日はまえとはちがう　もう一方のコースで行ってみよう

市の地図が　ゴミのある地点をつなぐ　地図なんだけど　同じ場所に行くのでも

２つくらいの道があるのがわかってくる　地図帳を出してわかるというんじゃなくて

経験でわかる　でも道を間違えそうになって　かえっておそくなってしまった

この遅くなるというのは　ゴミ探し人にとっては　致命傷なのだ

プロのゴミ探し人に遅れを取る訳だし　一般人の競争相手はめったにいないものだけど

市の清掃車が来てしまえば　ぱーだ

さあ　ごみがみえてきた

何もかも忘れて　ダッシュ　

そのゴミの山を見ると　未知のなにかが　私を待っている

そこには　お店のように　なにがあるのか　すぐにわかるなんてことはない

なにもないかもしれない　お金はいらない

そのとき「いいのがありますか」という声がする　女性の声だ

「いいのがないかと思って」と私が答える　

その奥さんは「へえ　おもしろい」にこにこしてる

「おもしろいよ　まだむこうまでいくよ　ついてくる？」そう言うと

彼女はほいほいついてきた　

ごみひろいは　まず人を誘う事はない　ま　今日はそうしてみた

「あなたはふつうの人に見えるのにおもしろい　なんで　こんなことを　このあいだ

私も　アロエの植木鉢を拾ったところが　５年来付き合った友達が　さっていったわよ」

と彼女は言った

ふむふむと思うけど　そんな大袈裟なとも　自分は思う

「見解の相違なのよね」彼女は　また難しい事を言った

ここで日記は　終わっています

あのころは　この日には　自転車をひたすらこぎ　あのとき　この足は鍛えられたんちゃうかと　今は思うのです　兵庫の田舎で　遠い学校に通った事も　村の中をうろうろしたのも　それらは　足のためによかったのかもと

ごみひろいは　わくわくとは　こういうことだと　身を持っておぼえたことでもあります

そうした体験は　あんがい　一人でやっているのです

これは　性格になり　楽しい事はこっそりやろう　

しかし　分け与える精神は　もたないかんと　思います

こまったなあ〜

ここらへんで　写真にいきますね

うえひだり

ふむ

まんなかみぎ

陶器の船

ちいさな　可愛い存在　どうしてあげたらいいんやろ

したひだり

きのう　サンマさんの番組で（テレビ）東大生と京大生が二手に分かれて

いろいろ　話してた

このごろ　人はそれぞれに　ちがっていて　似てもいる　などと７０をまえにして

思うようになった　だからそれぞれにおもしろかった

東大にはいるには　頭がいいのと　その努力では足りなくて　塾に行ったり

親も本人もお金も大変やと思う　

京大もやはり

ところが　案外　そのことが　不利に働いたり　もてなかったり　そうなのかと

それが　このテレビに出てる学生さん　早く数学の問題を解き　早くレゴをなんとかし

その早くが　あってもいいけど　そんなに早くするのが　頭脳のよしあしとなると

キン肉マンとかすもうとりさんとか　吉田戦車のくすぐり君みたいな人も出て来たけど　笑う　くすぐりくんは笑うって　キン肉マンらしき人や　まわしをした人も　それぞれにてっていしてるところが　まわりと関係ない感じで行動しているようで　おかしかったな

美人はそこを　頭脳明晰はそこを　早くさんはそれを　いかせてこそ　いやいや　

ゆっくりそれを考えるといいやん〜なんやながれてしもたなあ

しかし　頭は大事に使おうな

この写真とどう関係するのかって？

「頭脳明晰一つ目小僧とおじょうさん」　どー？